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入所者らの安全を守るため、西日本豪雨を教訓に生かす「しそう自立の家」=宍粟市波賀町小野
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入所者らの安全を守るため、西日本豪雨を教訓に生かす「しそう自立の家」=宍粟市波賀町小野
入所者らの安全を守るため、西日本豪雨を教訓に生かす「しそう自立の家」=宍粟市波賀町小野
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入所者らの安全を守るため、西日本豪雨を教訓に生かす「しそう自立の家」=宍粟市波賀町小野
西日本豪雨後、台風が来るたびに避難した入所者ら(提供)
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西日本豪雨後、台風が来るたびに避難した入所者ら(提供)

 兵庫県宍粟市に深い爪痕を残した西日本豪雨から6日で3年。障害者支援施設「しそう自立の家」(宍粟市波賀町小野)は当時、避難の難しさを痛感した。施設前を流れる川の上流には砂防ダムがあったが、流木や岩石で決壊寸前の状態に。50人超の入所者らを避難誘導するのは難しく、慣れない避難所生活で体調を崩す人もいた。施設の代表は「避難所生活も含め、入所者の安心、安全を考えるようになった」と教訓を語る。

 同施設は1995年、社会福祉法人「ひょうご障害福祉事業協会」(宝塚市)が開設した。主に知的障害者ら50人が共同生活を送る。当時は施設の向かいにあるグループホーム(現在は運営休止)にも7人が暮らしていた。

 3年前の7月6日、宍粟市波賀町に避難勧告が発令されたのは午後8時43分。夜間は通常2人体制で、当時も管理者を含めて3人だった。施設前の道路には川の水があふれ、57人を率いての避難は危険と判断し、施設にとどまった。

 夜が明け、警察官や消防隊員らが「早く逃げて」と施設に伝えに来た。上流の砂防ダムに大きな木や岩が大量にたまり、危険な状態となっていた。

 施設の車では限りがあるため、警察や消防の力も借りて、全員で北約2キロのメイプル福祉センター(同町安賀)に避難。その後も台風が接近するたびに同センターに身を寄せ、10月までに計6回も避難した。

 避難所生活では、普段とは違う場所での寝泊まりが壁となった。誰かが寝返りを打つたびにマットの音で起きる入所者もおり、5~6人のスタッフが24時間態勢で付き添った。度重なる避難で体調を崩すケースもあり、「(避難所に)泊まりたくない」と訴える入所者を自宅まで送り届けたこともあった。

 施設は豪雨を契機に移転を決めた。同施設の管理者堂田俊彦さん(62)は「避難の大変さや、避難所生活での配慮の大切さを関係者で共有できた。災害時にも入所者により安心、安全なサービスを届けたい」としている。(村上晃宏)

■施設移転費用、寄付金を募る 目標額1億円

 度重なる避難経験を機に、障害者支援施設「しそう自立の家」は移転を決めた。新施設の予定地は同市山崎町与位で、建物は2階への垂直避難を想定した造りとする。完成は2022年3月を目指している。

 木造と鉄筋コンクリートの一部2階建てで、延べ床面積は約2500平方メートル。総事業費は10億7千万円を見込み、国や県の補助金を活用する。

 2階部分はコンクリート造りとし、災害時には入所者が避難するほか、地域住民の受け入れも考えている。日頃はイベントなどに活用し、住民との交流を図ることも検討している。

 同施設を運営する社会福祉法人「ひょうご障害福祉事業協会」(宝塚市)は建設費の寄付金を募っている。目標額は1億円。同施設TEL0790・75・2275

(村上晃宏)

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