西播

  • 印刷
東京で開かれた国際大会でアタックを打つ西家道代(日本パラバレーボール協会提供)
拡大
東京で開かれた国際大会でアタックを打つ西家道代(日本パラバレーボール協会提供)
西家道代
拡大
西家道代
谷河勇綺
拡大
谷河勇綺

 東京パラリンピックのシッティングバレーに、兵庫・播磨ゆかりの2選手が挑む。女子では宍粟市山崎町の西家道代(54)=太子町出身、男子では姫路市の谷河勇綺(ゆうき)(30)=宍粟市山崎町出身=が出場。けがや事故で一度はバレーを諦めかけたが、シッティングバレーとの出合いが新たな目標に挑むきっかけとなった。地道に積み重ねた努力を信じ、世界と戦う。予選は27日に始まる。(村上晃宏)

■西家道代 不運の事故乗り越え前を向く

 太子町立斑鳩(いかるが)小学校の6年時にバレーボールを始めた西家は、旧太子中学校や龍野実業高校でもバレー部に入り、卒業後は社会人のクラブチームなどで競技を続けた。

 2003年5月、神戸市での試合中だった。スパイクを打った後の着地で「ブチッ」という音とともに脚に激痛が走った。救急車で搬送され、左膝前十字靱帯(じんたい)断裂と診断された。

 手術を受けたが、医師に「治るか分からない」と告げられた。転院して10回ほど手術を繰り返し、5年半の入院生活を送った。だが、感染症なども重なって左膝は自由に動かず、復帰は絶たれたと感じた。この時、41歳。「目もうつろで、ただ呼吸しているだけだった」と振り返る。

 退院後、たつの市の障害者スポーツ施設「ふれあいスポーツ交流館」で、シッティングバレーと出合った。初練習でシューズを履いた時は、バレーができる喜びで涙があふれた。体はうまく動かなかったが、かえって「心に火が付いた」と夢中になった。

 10年に日本代表に選ばれると、12年のロンドンパラリンピックでは主将を務め、7位入賞を果たした。今回は2大会ぶりの出場でメダル獲得へ気合は十分だったが、本番を約1カ月後に控えた7月20日、交通事故に見舞われた。

 姫路市内の練習拠点へ車で向かう途中に追突され、むち打ちと頭部打撲を負った。調子が良かっただけにつらく、「仲間に迷惑を掛けた」ことにも胸を締め付けられた。針や整体治療で懸命に回復を図り、今はチームメートや自身が目標に掲げる「銅メダル獲得」へ前を向く。

 「全力プレーの背中を見せるのが私の役割。勇気と感動を与えられるプレーを届けたい」。幾多の苦難を乗り越えた大舞台で、真価を発揮する。

■谷河勇綺 チャレンジャー精神で1勝を

 幼い頃から負けず嫌いだった。谷河がバレーボールを始めたのは宍粟市立山崎小学校の4年時。地元のジュニアクラブに入り、練習に打ち込んだ。山崎西中学校ではジュニアオリンピックカップの県選抜に選ばれ、強豪の市立尼崎高校に進学。3年のインターハイでは準優勝し、卒業後は会社勤めをしながら9人制バレーで汗を流した。

 それが一夜にして暗転した。20歳だった2011年10月末、当時住んでいた社宅の窓から不注意で転落。約10メートル下の地面に体を打ち付けられ、病院に搬送された。当時の記憶は今も曖昧という。

 事故で左膝の靱帯(じんたい)損傷と左腓骨(ひこつ)神経まひの診断を受けた。当時は「筋トレをすれば元に戻るだろう」と悲観することはなかった。実際、約1カ月のリハビリで歩けるようになって退院し、軽い練習なら可能なほど回復した。

 だが2~3年後、宍粟市の大会でアタックに飛んだ際、立てないほどの激痛が左膝に走った。「もう全力でバレーはできない」と実感。選手としての自尊心が傷つき、もやもやした思いを抱えた。

 事故から5年ほどが過ぎ、知人の紹介でシッティングバレーと出合った。筋トレは怠っておらず「動けるだろう」と練習に参加したが、力強く素早い動きについていけなかった。ここで負けず嫌いの性格が顔を出し、「みんなに認められたい」とチームに入って練習に没頭した。

 17年、韓国で開かれた国際大会で初めて日本代表に選ばれた。その後も毎年、国際試合に参加し、強豪国との対戦で経験を積んだ。東京パラリンピックの出場国で日本男子はランキングが最下位だが、「強いチームと戦うのはわくわくする」と意気込む。粘り強いプレーとチャレンジ精神でまずは1勝を目指す。

【シッティングバレー】床に尻の一部が接触した状態でプレーするバレーボール。第2次世界大戦で傷ついた兵士のリハビリテーションで取り入れられ、1956年にオランダで競技化、80年にパラリンピックの正式種目となった。日本代表は男子が2008年の北京大会、女子が12年のロンドン大会以来の出場で、これまでメダルの獲得はない。東京大会には男女各8カ国が出場する。

西播パラ兵庫1パラ兵庫競技
西播の最新
もっと見る
 

天気(10月27日)

  • 21℃
  • ---℃
  • 0%

  • 20℃
  • ---℃
  • 0%

  • 23℃
  • ---℃
  • 0%

  • 23℃
  • ---℃
  • 0%

お知らせ