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標本にしたシタベニハゴロモを持つ鈴木万結さんと奏太朗君(鈴木崇仁さん提供)
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標本にしたシタベニハゴロモを持つ鈴木万結さんと奏太朗君(鈴木崇仁さん提供)
標本を拡大すると羽の青い部分が見える(鈴木崇仁さん提供)
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標本を拡大すると羽の青い部分が見える(鈴木崇仁さん提供)

 「パパ、変わった虫がいるよ!」。兵庫県たつの市揖西町の里山で、小学生の娘が見つけた昆虫に父親は驚いた。「県内ではほとんど報告例のない外来種かも」。神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に情報が寄せられ、親子と記者合同の“自由研究”が始まった。(直江 純)

 親子は同県加古川市の会社員鈴木崇仁(たかひと)さん(48)と万結(まゆ)さん(9)、奏太朗君(6)のきょうだい。子どもたちはハンミョウなど色が鮮やかな昆虫が好きで、日頃から採集しては標本にしてきた。

 たつのでは、青いルリボシカミキリを探していたが、万結さんが見つけたのは別の虫だった。捕まえた崇仁さんは「変わったセミか、ガの仲間かな?」と思ったが、後ろの羽が赤く、見たことのない虫だった。

 標本にしてみると、羽の真ん中に青い部分があり印象的だった。子ども用の図鑑にも、大人用の図鑑にも載っていない。インターネットの画像検索を活用して「シタベニハゴロモでは」と目星を付け、スクープラボに連絡した。中国やインド、東南アジアなどに分布するカメムシの仲間で、戦後の国内では2009年に石川県で初めて発見された外来種だ。

 福井県でも繁殖し、大阪府内でも確認例があった。19年には中国地方で初めて、西播磨に近い岡山県備前市で確認された。

 記者は崇仁さん撮影の標本写真を、岡山県倉敷市の同市立自然史博物館に見てもらった。「シタベニハゴロモに間違いない」。学芸員の奥島雄一さんは断言した。羽に青い部分があるのは北陸の系統ではなく、岡山でしか確認されていない特徴という。

 この虫は、生態系を乱すだけでなく、落葉高木のシンジュやセンダンなどに寄生して「すす病」を起こし、枯死(こし)させることもある。奥島さんは「虫が自力で移動したのか木材などに付着して移動したのかは分からないが、備前由来の可能性が高い」と話す。

 過去に会員制交流サイト(SNS)の投稿では「兵庫県内で採集した」との報告はある。ただ、県立人と自然の博物館(同県三田市)でも具体例は把握できておらず、神戸新聞紙上では初報道となる。

 崇仁さんは「子どもたちには夏休みの思い出になりましたが、私は日本の在来昆虫のすむ環境が壊されないことを願っています」と話していた。

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