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経営難に陥り、相生市から1億円の財政支援が入った道の駅あいおい白龍城=相生市那波南本町
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経営難に陥り、相生市から1億円の財政支援が入った道の駅あいおい白龍城=相生市那波南本町
相生湾を望むペーロン温泉=相生市那波南本町
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相生湾を望むペーロン温泉=相生市那波南本町

 兵庫県相生市が2021年度、道の駅あいおい白龍(ペーロン)城(同市那波南本町)に、経営再建費1億円を投入した。1997年、天然温泉を目玉に華々しくオープンしたが、赤字体質から抜け出せず、2018年度に債務超過に陥った。さらに20年秋には手元の現金が不足する資金ショートの危機にも直面し、開業後初の公的資金注入が決まった。市税での救済とあって、今後はその成果が厳しく問われることになる。(伊藤大介)

 白龍城を整備した背景には、石川島播磨重工業(現IHI)の新造船部門からの撤退があった。企業城下町から労働者が去る中、にぎわい創出に向け観光客らを引き寄せる狙いだった。

 市や石川島播磨などが出資する第三セクター「あいおいアクアポリス」が運営を担うが、オープン初年度からいきなり赤字経営を強いられた。温泉は別の会社が運営していたが、客足は期待したほど伸びず、わずか1年で撤退。三セク直営となった。

 04年には主要施設の一つだった高級中華料理店も撤退した。青空市で始めた地場野菜などの販売で収入を支えたが、テントの下で売る農産物は夏場に傷みやすく、近くのスーパーに次第に客を奪われた。

 06年度に初の黒字転換を達成したが、10年度に再び純損失を出し、資本金を12億円から1200万円に減資。手持ちの現金を切り崩して運営を続けた。

 オープン時には周辺になかったスーパーや農産物直売所、スーパー銭湯との競合で低迷が長引き、18年度にはとうとう債務超過に。開業時に相生市から白龍城に派遣され、20年4月に支配人として戻った市職員OBの利根克典さん(62)は、逼迫(ひっぱく)する財務状況に驚いた。財政課の主任や会計管理者を務めた経験から「夏か秋には運転資金が底をつく」と気付き、市に財政支援を求めた。

 一方、市の公的支援までに資金繰りが行き詰まる可能性が高かったため、アクアポリス社長で相生商工会議所会頭も務める田口晴喜さん(67)が連帯保証人となり、銀行から1千万円を借りて何とか持ちこたえた。無報酬で社長を務める田口さんは「三セクは市民に支えられてきた組織。自分も相生市民やから」と個人保証を請け負った理由を説明した。

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 1億円の公的資金が入ったが、再建の道筋が付いたわけではない。約3千万円は運転資金に充てられ、約4千万円をかけてテント式だった農産物販売所に建屋を設ける。残る約3千万円は温泉水をくみ上げるポンプの交換や井戸の泥を取り除く浚渫(しゅんせつ)工事に向けられる。地下1500メートルからくみ上げる温泉は定期的な設備補修や交換が必要となり、経営を圧迫している。

 施設存続へ市税の投入を決めたアクアポリス会長の谷口芳紀市長は「にぎわいの拠点として収支をプラスに持っていってほしい。今後しばらくは公的資金の注入はできない」。田口さんは「近隣の施設との競争は激しくなっている。温泉存続のため、市民の皆さんにももう少し利用してもらえたら」と話している。

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