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「一力」を切り盛りする田原愛子さん=佐用町佐用
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「一力」を切り盛りする田原愛子さん=佐用町佐用
佐用のホルモンうどんを支える平谷製麺所。平打ち麺がたれによく絡む=佐用町佐用
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佐用のホルモンうどんを支える平谷製麺所。平打ち麺がたれによく絡む=佐用町佐用
店ごとに異なるこだわりのつけだれで味わうのが佐用スタイル=佐用町佐用
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店ごとに異なるこだわりのつけだれで味わうのが佐用スタイル=佐用町佐用
香ばしい風味が特長の津山ホルモンうどん=岡山県津山市上河原、「お好み焼 三枝」
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香ばしい風味が特長の津山ホルモンうどん=岡山県津山市上河原、「お好み焼 三枝」
「ホルモン焼きうどんマップ」を紹介する名田幸弘さん
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「ホルモン焼きうどんマップ」を紹介する名田幸弘さん

 兵庫・佐用のご当地ネタをたっぷりお届けする「佐用新聞」で、まだ取り上げていない話題があります。町の名物グルメ「ホルモンうどん」。町内にたくさんお店があり、佐用に来て食べずに帰るのはもったいない、そんな逸品です。一昔前まで町内のごく一部でしか食べられていない「超ローカルフード」だったようですが、どうして広く知られるようになったのか。ライバルである岡山県「津山ホルモンうどん」との違いも含め、取材しました。どちらの味がお好みか、記事を読んでから食べ比べてみてください。(勝浦美香)

 メニューが誕生した経緯を調べると、佐用の山間部で畜産や精肉業が盛んだったことに由来するといわれている。「放るもん」として廃棄されていた内臓を、戦後、タダに近い安価で仕入れ、酒のアテとして出したのが始まりとされる。

 仕事終わりの男性たちが大きな鉄板を囲み、ホルモン焼きをつつきながら一杯飲む-というのが定着。安く手に入るうどんを一緒に焼き、おなかを満たしたのが、いつしか「ホルモンうどん」になったという。

 数あるお店の中で、歴史ある店を訪ねた。

 同町佐用、国道373号沿いにある「一力」は今年、創業70年を迎えた。大きな鉄板の前に立つ2代目店主の田原愛子さん(78)が、ジュージューと音をたてながらホルモンや野菜を香ばしく炒める。平打ちのうどんを加えて焼き上げると、小皿に入ったたれを渡してくれた。つけだれで食べる点が、佐用のホルモンうどん最大の特徴という。

 店は田原さんの夫の母が始め、佐用駅前の商店街に店を構えた。主な客は力仕事を終えた後の男性たち。つけだれで食べるようになったのは「酒飲みのお客さんが濃い味を求めたからや」と笑い、「昔はもっと濃い味のたれを出しとったよ」とも。各店で異なるが、みそベースの甘辛いたれに、濁り酒を合わせるのが昔からの定番という。一方で、うどんは、多くの店が地元の平谷製麺所から仕入れているそうだ。

 今でこそ店は増えたが、2000年ごろまで旧佐用町中心部に2、3店あっただけ。「女性客も最近までほとんどなかった」と田原さんは振り返る。

 そんな超ローカルフードが、どうして町を代表する名物になったのか。

 大きな役割を果たしたのが、01年に町有志らで結成した「ホルモンうどんくわせ隊」だ。同隊は三つの小隊からなる。まず、地元の料理教室に通う年配男性らは「焼き隊」として、町外のイベント会場などに出向く。そろいのアロハシャツなどに身を包み、焼きたてホルモンうどんを販売し、PRする。

 若手商店主らは、企画や広報を担う「ひろめ隊」として活動。また、ホルモンうどんのファンたちを「またき隊」として巻き込み、一緒に魅力発信を続けた。知名度も高まり、町内に新店が相次いで誕生。町全体のご当地グルメとして脚光を浴びるようになった。

 今はコロナ禍で思うように活動できないが、ひろめ隊の千種和英さん(54)は、新たなプランを温める。着目したのは、お隣のライバル「津山ホルモンうどん」。「食べ方も味も違うけど、お互い『うちの方がうまい』と思っている。そろそろ勝負するのもええかも」と、闘志を燃やしている。

■佐用と津山、あなたはどっちが好み?

 佐用町から西に40キロほど離れた岡山県津山市と言えば、津山ホルモンうどんが有名だ。全国規模のグルメイベント「B-1グランプリ」で上位入賞を続け、高い知名度を誇るようになった。一時期は市内に50店舗以上が味を競い、週末のたびに行列ができた。

 市内有志でつくる「津山ホルモンうどん研究会」の“伝道部長”で、「お好み焼 三枝(みえ)」(同市上河原)店主上山康裕さん(52)によると、津山でもホルモンうどんはお酒のアテとして戦後間もなく食べられるようになった。

 たれを直接、鉄板の上で野菜やうどんに絡めて焼くスタイルで、香ばしい風味とたれをまとったホルモンが食欲をそそる。佐用と津山のどちらがおいしいかを尋ねると、「それはお客さんしか知らない。僕としては、尊敬するアントニオ猪木の言葉を借りて、いつ何時、誰の挑戦でも受けます」と自信たっぷりに答えた。

■店マップを一新、10カ所紹介

 佐用町商工会青年部は、町内のホルモンうどん店を巡るマップを一新した。10店舗を紹介しており、専用ウェブサイトにつながるQRコードも掲載。道の駅などで計3万部を配布している。

 青年部長の名田幸弘さん(43)によると、甘めのみそを使っていたり、ユズの皮を削って入れたりと、つけだれへのこだわりや工夫は、店ごとにさまざまという。中には、津山のようにたれを混ぜ込んで焼く店もある。名田さんは「食べ歩いて、ぜひお気に入りを見つけてください」と呼び掛けている。

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