西播

  • 印刷
家族に囲まれながら、車いすに取り付けた楽器で演奏を楽しむ尾崎咲良さん(中央)=たつの市龍野町富永
拡大
家族に囲まれながら、車いすに取り付けた楽器で演奏を楽しむ尾崎咲良さん(中央)=たつの市龍野町富永

 「18トリソミー」という先天性の疾患で重度の身体障害がある兵庫県たつの市立誉田(ほんだ)小学校5年の尾崎咲良(さくら)さん(10)が、障害者の社会参加を広めようと同市で開かれたイベントで楽器の演奏に挑戦した。ウインドチャイムと呼ばれる打楽器や鈴を取り付けた特製の車いすで登場した尾崎さんは、自力で動かせる手脚を使って音を出し、吹奏楽団と一緒に童謡「にじ」などを奏でた。支援団体はこの取り組みを通じてドキュメンタリー作品の制作を進めており、年度内の完成を目指している。(井上 駿)

 18トリソミーは、出生児の1年生存率が10~30%とされる重い染色体異常。尾崎さんは周りにも支えられて認定こども園を卒園し、今は医療的ケアを受けながら同小の特別支援学級に通う。

 今回の挑戦は、尾崎さんの家族と交流のあった同市のNPO法人「いねいぶる」理事長の宮崎宏興(ひろおき)さん(48)らが提案した。新たなチャレンジで周囲と交流する姿を発信しようと、市内の吹奏楽団「rubato(ルバート)」団長の佐々野沙織さん(36)の協力を得た。尾崎さんは手脚を動かして鳴らせる楽器を試行錯誤しながら練習。その奮闘ぶりを映像で残すことにした。

 本番の舞台となったのは、同市龍野町富永の市青少年館であった「ユニバーサル文化発信イベント tsutsu‐mareru(つつまれる)」。演奏曲の「にじ」は本人のお気に入りで、2日間にわたった催しのうち、2日目の19日に出演した。

 同NPOとともに支援する「たつのソーシャルインクルージョンプロジェクト」のメンバーらに見守られ、母の真紀さん(43)、父の雅充さん(46)、妹の葵さん(7)、糸ちゃん(5)と一緒に登場した尾崎さんは、少し緊張した表情だ。

 一緒にステージに立つ太子高校Jコーラス部が歌い始める。「♪きっと明日はいい天気」。1番が終わり、楽器の音がやむ。2番の始まりは尾崎さんの音が合図。「頑張れ」。声援を受け、脚を動かす。金属の棒を並べたウインドチャイムが鳴ると、楽団のメロディーが続いた。2曲目は「あわてんぼうのサンタクロース」。緊張が解けた尾崎さんは笑顔を見せて演奏に加わった。

 舞台を見届けた真紀さんは「娘の周りには自然と人が集まってきてくれて、親としても学ばせてもらうことばかり」と感極まり、「周囲を巻き込みながらこんなに音楽を楽しめるんだということが、何かの形で伝わってほしい」と話した。

西播
西播の最新
もっと見る
 

天気(5月24日)

  • 27℃
  • 17℃
  • 0%

  • 29℃
  • 12℃
  • 0%

  • 29℃
  • 16℃
  • 0%

  • 30℃
  • 14℃
  • 0%

お知らせ