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社員らの手でお色直しをした赤龍丸=相生市内
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社員らの手でお色直しをした赤龍丸=相生市内
赤いちょうちんの明かりが夜の海面に揺れる屋形船=相生市内
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赤いちょうちんの明かりが夜の海面に揺れる屋形船=相生市内
相生特産カキなどを使った和食セット=相生市内
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相生特産カキなどを使った和食セット=相生市内
海面に近い高さから景色を楽しめる=相生市内
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海面に近い高さから景色を楽しめる=相生市内
船内から見える工場や大型フェリー=相生市内
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船内から見える工場や大型フェリー=相生市内

 天然の良港、兵庫・相生湾の新たな観光名物として、屋形船が注目されている。播磨初の海上運航といい、ゆったりと波に揺られながら、畳敷きの船内で食事を楽しめる。今月1日の営業開始を前に、若手記者が1時間半の相生湾周遊を体験した。(地道優樹)

 3月下旬の波の穏やかな昼下がり、船着き場となる道の駅「あいおい白龍(ペーロン)城」(兵庫県相生市那波南本町)へ向かうと、全長約20メートルの屋形船が接岸していた。

 船は緑色の屋根に赤いちょうちんが連なる。「社員みんなで新たに色を塗ったんですよ」。運航する「赤とんぼ観光」(たつの市)の川内優介社長(44)が笑顔で迎えてくれた。東京湾で客を乗せていた中古船を買い取り、社名と白龍を組み合わせて「赤龍丸(せきりゅうまる)」と命名した。

 定員45人。畳敷きの船内に乗り込むと、4人席や6人席に区切られたテーブルが並ぶ。テレビやトイレ、ワイファイも備えている。

 「ゴー」というエンジン音の響きとともに、操舵室から藤原浩樹会長(59)が「ほな出すで」と声を張り、午後2時ごろに出港した。自転車より少し速く、揺れは思ったよりも少ない。窓のすぐ外には、日差しを反射して輝く海面が迫る。南へ進む船の左手にヤシの木々が見えてきた。この周辺で、毎年5月に木造手こぎ舟のレース「ペーロン競漕(きょうそう)」が行われる。

 船首側デッキに出てみると、ちょうど船が湾内の狭い水路を抜けた。視界が一気に開け、磯の香りも一層濃くなった。湾を囲む山沿いに発電所や船の修理工場が並び、「タイタニック」を思わせる大型フェリーがそびえるように停泊している。海上にはタンカー船や漁船の姿もあり、手を振りたくなった。

 屋形船の最大の楽しみは食事。三段の重箱に入った和食セットには、タイやタコの刺し身、エビのうま煮、イカナゴのくぎ煮など瀬戸内海の幸がずらり。JR相生駅近くの和食店「緑粋(えんすい)」が手掛けたものという。

 船内で揚げたばかりの天ぷらも次々に運ばれ、アナゴやタラの芽、相生産のカキを味わう。ちょうど、船は相生湾の岬に位置する坪根地区を通過し、カキの養殖いかだが海面に浮かんでいた。アルコールは取材中なので我慢した。

 地元の人が「おわん島」と呼ぶ蔓島(かずらじま)近くまで進み、湾の最南端で折り返した。お腹はいっぱいだが、心配だった船酔いはせずに済んだ。心地よい波の揺れを感じていると、トンビの鳴き声が耳に届いた。

 あっという間に約14キロの周遊コースを巡り、船は再び白龍城へ戻った。「夕日に染まった相生湾もとてもきれいですよ」と、スタッフの藤原美香さん(44)。運航は午前11時と午後1時半の1日2便(食事代込みで大人7千円から)に加え、貸し切りの夕方便も運航する。同社TEL0791・72・9370

     ◇     ◇

■貸し切りバス会社、コロナ禍で活路求め海へ 新幹線停車駅で相生に白羽の矢

 屋形船は東京湾をはじめ、日本各地で夏の風物詩となっている。西日本では大阪市や京都の嵐山、高知県の四万十川なども有名だが、国交省神戸運輸監理部によると、現在、兵庫県内で営業している屋形船は、赤とんぼ観光のみという。

 同社はたつの市を拠点に貸し切りバス事業を展開しているが、コロナ禍に伴って利用が激減。海に活路を求めた。

 実は「姫路港や室津港、赤穂港から運航させる可能性もあった」と川内社長。最終的に船の係留場を借りられる点や、播磨灘を代表する味覚・カキが安定して仕入れられる点を重視し、相生湾に白羽の矢を立てた。JR相生駅に新幹線が停車することも決め手だったという。

 国交省からは室津港や新舞子浜、赤穂御崎の運航許可も取得済みで、新たに航路を増やす予定だ。

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