兵庫県たつの市新宮町千本の東河内(とのごうち)地区で20日、田植えが始まった。棚田の冷たい水が米の味を良くし、消費者にいち早く新米を届けられるといい、他地区より1カ月以上早い。この日は農機具メーカーによる半自動運転の実演も兼ね、住民や市職員らが作業を見守った。
一帯の農地は、農業法人「フジ工房」が管理している。専業農家から法人化した藤本俊祥(としひろ)社長(36)によると、高齢や担い手のいない農家の依頼で、年2ヘクタールのペースで管理地が増え、現在は約31ヘクタールになった。
半自動の「スマート田植え機」は、衛星利用測位システム(GPS)を利用する。ハンドルから手を離してもあぜに平行に直進して苗を植え、端まで行くと自動旋回する。
さらに、無人で動く機種も実用化されており、藤本社長は「慣れていない人でも田植えができるなら利点が大きい」と興味を持った様子だった。(直江 純)
