病気や事故などが原因で頭髪を失った子どもに、医療用ウィッグ(かつら)を提供する活動「ヘアドネーション」を知ってもらう講演会が、兵庫県宍粟市山崎町加生の山崎高校で開かれた。同高の卒業生が約4年半かけて伸ばした髪を生徒ら10人が順番にカットする実演もあり、講演に耳を傾けた1~3年生約540人は命の重みについて考えを巡らせた。(村上晃宏)
2020年、京都市立中学校教員の保杉香奈さん(33)=同市右京区=が母校の山崎高に「生徒の前でヘアドネーションを見せたい」と連絡した。保杉さんは過去2回、髪を提供しており、後輩たちに活動を知ってもらおうと考えた。
新型コロナウイルスの影響で延期していたが、ようやく実現。髪を切る際のサポート役として、同高卒業生の美容師片山界さん(36)=太子町東保=に声をかけた。
講演で保杉さんは、ヘアドネーションには髪の毛が31センチ以上必要で、ウィッグ一つを作るのに約30人分の頭髪が使われていることを説明。年齢制限はなく、癖毛や染めた毛でも寄付できることを紹介した。
その後、生徒らが保杉さんの髪の毛のカットに挑戦。緊張した面持ちだったが、勇気を出してはさみを入れ、無事に切り終えると、ほっとした表情を浮かべた。カットした約60センチ計10束の髪は大阪市のNPO法人に寄付されるという。
カットに参加した3年の男子生徒(17)は「4年半分の髪の毛は重く、命の大切さを感じた」と話す。保杉さんは「ヘアドネーションを通じて、自分と他人を思いやれる優しさが広がってほしい」と力を込めた。
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