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コオロギの粉末を練り込んだうどん「コロどん」=佐用町佐用
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コオロギの粉末を練り込んだうどん「コロどん」=佐用町佐用

 兵庫県佐用町佐用の飲食店「お食事処 一平」で、一風変わった一品の販売が始まった。その名も「コロどん」。町内で養殖された食用コオロギの粉末を練り込んだうどんだ。将来の食料不足の解決策として期待されるコオロギと関西のソウルフードが合体した。栄養価が高く、癖がない味も好評で、昆虫食の魅力発信にも一役買う。(真鍋 愛)

 人口増加による食料不足を見据え、世界的に期待が集まる昆虫食。国連食糧農業機関(FAO)は2013年、昆虫を「有望な食材になり得る」と紹介した。牛や豚、鶏といった家畜に比べて餌や水が少量で済み、排せつ物から出る温室効果ガスも少ないため、環境面での利点もあるという。

 うどんに使うのは食用のフタホシコオロギで、同町上石井の研究施設「虫の恵み社」で養殖している。昆虫学者で神戸大学名誉教授の竹田真木生代表(72)=神戸市北区=によると、おからなどを食べさせることで、癖が少ない味のコオロギに育つという。

 麺は上郡町上郡の「平田製麺所」が開発。コオロギの粉末の配合比率は「企業秘密」だが、昆虫食になじみがない人でも食べやすいよう量は控えめにしている。そこに一平オリジナルの甘いつゆを絡め、ヤマイモおろし、ネギ、ノリをのせると完成だ。

 コオロギは一般的にエビのような味がすると言われるが、うどんを食べた客からは「癖がない」という声が寄せられ、「つるっと食べられておいしい」と好評だ。

 一平の店主山本千代子さん(78)は虫の恵み社の関係者から商品化を勧められた。「最初に『コオロギうどんを出しませんか』と言われた時は一瞬、『どないしよ』と思ったけど、つゆと合わせてみるとおいしかったんです。コオロギは栄養価も高いし、佐用生まれの開発商品をぜひ堪能して」と話す。

 1杯900円。一平TEL0790・82・2139(木曜定休)

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