西播

  • 印刷
服部憲由さん
拡大
服部憲由さん

 静岡県の認定こども園で今年9月、女児がバスに取り残され、熱中症で死亡した事件をテレビで知り、痛ましいと感じた。そこから車内置き去り防止装置の開発に着手し、3日間で設計・試作にこぎ着けた。「せっかちな性格で、思い付いたらすぐに手を付けないと気が済まないんですよ」と笑う。

 国は来春にも送迎バスへの設置を義務付ける予定で、公開された仕様に合うよう改良を重ねる。長男(37)、次男(34)、三男(28)が開発部門の中枢を担う。

 実家は農家だったが、日本製鉄の製鉄所近くで育った。小学校のクラスの8割は社員の家庭。ものづくりが好きになり、広畑中から明石工業高等専門学校に進み、グローリー工業(当時)に入社。電気機械を制御するマイコンやソフトウエアの開発に熱中した。

 13年間勤めて独立。乾電池で動く小型の紙幣計数機がヒットした。車好きが高じ、スマートフォンでエンジンの始動や停止、スライドドアの開閉ができるシステムをいち早く開発した。

 自社で商品を企画開発し、中国の協力工場で製造して半製品を輸入して組み立て販売する。工場を持たないファブレス形態で商品開発に注力する。カー用品店には自社製品を置かず、通信販売を中心に純粋な商品力で勝負する。

 週に1度、息子たちと家族会議で会社の将来を話し合い、自身はユーチューブで1日2時間、経済や経営を学ぶ。アイデアは尽きず、ものづくりをもう少し楽しんだ後、息子たちにバトンを渡すつもりだ。

西播
西播の最新
もっと見る
 

天気(12月6日)

  • 15℃
  • 9℃
  • 30%

  • 18℃
  • 3℃
  • 30%

  • 16℃
  • 7℃
  • 20%

  • 16℃
  • 5℃
  • 20%

お知らせ