兵庫県の西播磨には宇宙研究や星空観察の拠点が集まっている。「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうで採取した砂を解析した大型放射光施設「スプリング8」や、日本最大の公開望遠鏡「なゆた」を備える県立大西はりま天文台、日本のロケット開発を支えるIHI相生事業所もある。
2023年は卯(う)年。月を目指す計画が相次ぐ中、夜空を見上げて、古来、ウサギが住むという月や星の輝きに心を休めてみませんか。
【1】星空案内人
客の好みと料理に合うワインを選ぶソムリエのように、星空の物語を分かりやすく紡ぎだすのが「星のソムリエ」の愛称で知られる「星空案内人」だ。天体観望会を開くのに必要な知識や技術を修得し、認定機関が認める民間資格になる。
養成講座を修了し、観望会の実技試験にも合格した星空案内人は、講座修了生の準案内人と合わせ県内で計830人。全国最多だ。
県内唯一の養成講座「はりま宇宙講座」は県立大西はりま天文台(佐用町西河内)など播磨の天文関連6施設1団体が協力して開催する。星空の語り部養成講座の舞台裏を取材した。
【2】花北観望会
姫路市増位新町2の花の北市民広場で年3~4回開かれる「花北観望会」はいずれ、伝説の観望会といわれるかもしれない。
国立天文台名誉教授だった故森本雅樹さん、西はりま天文台長・公園長だった黒田武彦さんに、明石市立天文科学館長の井上毅さん。天文学研究や普及で名だたる3人で始めた観望会は8月に20周年を迎える。
2003年の火星大接近を機にJR播但線野里駅近くで始まった。08年からは同広場にある水上公民館の行事として続く。大先輩2人の後を継いだ井上さんは観望会に訪れる人を星空の世界に導く。
【3】光害
光害(ひかりがい)。街の明かりは時に繁栄の象徴だが、過剰な屋外照明や照らし方が不適切であれば、夜空の星が見えなくなる環境問題となる。
専門家らでつくる国際協会が2001年に認定制度「星空保護区」をスタートさせ、光害の啓発に乗りだした。認定を受け、観光収入の増加に期待を寄せる自治体も現れている。
一方、30年以上も前に「星の都」を宣言し、光害対策にいち早く取り組んだ地域が西播磨にあるが、現在は事業継続が危ぶまれているという。当たり前と思っている星空の美しさをどのように守る?
【4】惑星命名
加古川市のアマチュア天文家、菅野松男さん(83)は1971年、妻の実家がある神河町に私設の「南小田観測所」を開設した。街灯がほとんどない山間部の暗さは天体観測にちょうどよく、仲間と新しい星を探索し続けた。
82年に変光星を発見。翌年見つけた新彗星(すいせい)には自分の名前が付けられた。小惑星の一つは「南小田」と命名。98年に観測所は閉鎖したが、昨年12月、24年ぶりに南小田で天文仲間や地元の親子らと星空を見上げた。奥播磨の澄んだ夜空は、今も多くの天文ファンを引きつける。
【5】スプリング8
大型放射光施設スプリング8には、宇宙分野を担当する「ウエスギ」姓の研究員コンビがいる。職場は1周1436メートルの巨大リングの端と端にあるが、リングに沿った建屋内を自転車で頻繁に行き来し合う。同い年で息はぴったりだ。
「りゅうぐうの砂はお宝が詰まった『玉手箱』だった。近い将来、火星からは『パンドラの箱』が帰ってくる」。最先端の科学技術を駆使するのに、言葉遣いは何だかロマンチック。昭和末期、ハレー彗星(すいせい)に心躍らせた元天文少年コンビが、太陽系誕生の謎という「果てしない物語」に挑み続ける。
【6】IHI相生事業所
かつて単一造船所で世界一の建造量を誇った相生市のIHI相生事業所。その最奥でロケットエンジンが開発されている。IHIエアロスペース(東京)の相生試験場で、国の基幹ロケット「イプシロン」などの打ち上げ成功を支えてきた。次世代のロケット開発にも関わっているという。
同事業所を見渡す丘の上には、役目を終えた人工衛星などの宇宙ごみ「デブリ」の観測所がある。世界的に商業衛星の打ち上げが急増する中、衝突リスクを未然に察知し、宇宙の安全をひっそりと見守っている。
【7】なゆた
人間に例えるなら、瞳の大きさは2メートル。県立大西はりま天文台(佐用町西河内)の「なゆた望遠鏡」は、直径2メートルの反射鏡で天体から光を集め、100億光年以上先の宇宙空間を見せてくれる。一般公開の望遠鏡としては日本一、世界でも2番目の大きさを誇る。
同天文台は2023年、日本国内の約10研究機関が連携する「重力波」の観測プロジェクトに加わる。宇宙の成り立ちや、金やプラチナ誕生の仕組み-。なゆたが捉える観測データが、これらの謎を解く一助となる可能性を秘める。

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