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中川浩弥さん
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中川浩弥さん

 姫路城にほど近い本町商店街に、上生菓子専門店「菓子処 手毬(てまり)」はある。黄色い花を模した「水仙」、イチゴ味の赤いあんを使った「福梅」、竹の形がおめでたい「若竹」…。店頭にずらりと並ぶ商品はどれも華やかで、目でも舌でも楽しめる。

 神戸市内の製菓専門学校を卒業後、洋菓子メーカーの工場勤務となった。手作り菓子に憧れ、若さもあって挑戦心に火が付いた。約5年で退職し、銘菓が豊富な城下町、姫路の老舗和菓子店で基礎から学び直した。さらに5年ほど働いて独立。店を開いて上生菓子一本で勝負している。

 近隣の小学校などで出前教室も開く。専門学校時代、和菓子職人を志望する同級生は一人もおらず、今も職人不足を感じる。「上生菓子は『和菓子の花』。体験をきっかけに、いつか菓子職人の道に進んでくれる子どもがいればうれしい」

 手間のかかる上生菓子は、多くて1日200個程度しか作れない。その分、商品開発にはこだわる。サンタクロースやこいのぼりなど、季節の行事をテーマにした和菓子作りは、菓子を習慣として食べてもらいたいから。愛犬をモチーフにした定番の一品は「珍しくて、かわいい」と若者世代からも人気を集めている。

 目標は職人同士が切磋琢磨(せっさたくま)できる環境をつくること。「そうすればきっと、和菓子文化はいつまでも残り続けるはず」。静かな語り口に、伝統の継承を目指す強い信念がにじむ。手毬TEL090・5964・7276

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