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播磨の恵みを生かして商品化した「百年の豊穣」
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播磨の恵みを生かして商品化した「百年の豊穣」
110年のあんづくりの歴史を受け継ぐ北條製餡の生産設備=太子町矢田部
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110年のあんづくりの歴史を受け継ぐ北條製餡の生産設備=太子町矢田部
大学生に商品化の思いを語る北條宏明専務(右)=姫路独協大
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大学生に商品化の思いを語る北條宏明専務(右)=姫路独協大
「百年の豊穣」のPR策を発表する姫路独協大の学生たち=姫路市上大野7
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「百年の豊穣」のPR策を発表する姫路独協大の学生たち=姫路市上大野7

 創業110年の北條製餡(兵庫県太子町矢田部)が、初の自社ブランド商品として、最高品質の酒米・兵庫県産山田錦などを原料とする発酵あんこ「百年の豊穣(ほうじょう)」を商品化した。全国各地のこだわり銘菓を業務用製造卸として支える「黒子」に徹してきたが、将来の海外展開も見据えて、消費者向け(BtoC)市場に参入する。自社サイトで春ごろから一般販売を始めるほか、インバウンド(訪日客)の姫路土産としてもアピールする。

■「龍力」の本田商店、姫路独協大生も協力

 北條製餡は1913(大正2)年創業。あんメーカーで100年超の歴史を持つ企業は珍しいという。消費者向け商品は、初代の名を冠した別会社が神戸・三宮で鶏卵まんじゅうの実演販売を行い、行列ができる人気だったが、阪神・淡路大震災を機に撤退していた。

 「百年の豊穣」の商品化には、姫路の地酒「龍力」の蔵元で、21(大正10)年創業の本田商店(同県姫路市網干区高田)に協力を依頼した。同社の酒造りに欠かせない最高品質の山田錦「特A地区産」を活用。両社で2年をかけて、あんとしっかりなじむ米糀(こうじ)づくりの試作を重ね、独自の製法で、えぐみのない発酵あんこを完成させた。

 糀特有の苦さを抑えつつ、後味の良さやふくらみのある甘みは生かした。砂糖は使わずに、あんそのものの色や艶、風味を実現。商品名には、北條製餡、本田商店ともに100年続く誇りと、播磨の豊かな恵みを表現し、「豊穣」には北條の社名もかけた。

 販売開始を前に「播磨経済を若者の力で盛り上げよう」と、姫路独協大で経営を学ぶ二つのゼミ生約20人にも力を借りた。あんのキャラクターデザインを地元の学生に依頼するなど、知名度アップのアイデアを提案してもらった。

 「百年の豊穣」は、こしあん、つぶあん(いずれも140グラム)の2種類。新商品の先行予約サイト「Makuake(マクアケ)」で30日まで販売中で、価格は、あん2本ともなかの皮のセットで3千円。

 今後、もなかに続いて、夏は水ようかん、冬はぜんざいなど商品の幅を広げる。北條製餡の北條宏明専務は「本田商店や姫路独協大とともに作り上げたのは、郷土色を打ち出し、新たな姫路土産になれば、との思いから。コロナ禍の落ち着きとともにインバウンドも増えてくる。さらに将来は東南アジアなど海外市場にも展開したい」と話している。

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