５年前にインターネットのＰＲ動画制作会社を立ち上げ、その事業の一環でユーチューバー「瀬戸内サニー」を名乗り、香川県を拠点に活動を始めた。若者に突撃インタビューするスタイルで人気を集め、１万５千人以上が登録するチャンネルに成長。今年２月、生まれ育った兵庫県上郡町から求められ、若者目線に立った情報発信などで連携する協定を結んだ。

　街の高校生に恋愛事情を聞いて回ったり、全身タイツで１週間生活したり。これまでに投稿した動画は４３０本を超えた。視聴者の大半が中高生や大学生だ。２０１８年の西日本豪雨時には、ヒット曲「Ｕ．Ｓ．Ａ．」の替え歌に合わせて地元住民が踊る、復興応援動画を制作。岡山、愛媛、広島編に総勢約７００人が出演し、再生回数は計３９万回に達した。

　学校のブラック校則や香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」など、社会の課題も取り上げる。「若者たちが軽やかに生きられる環境をつくりたい」と話す。

　上郡中、相生高から香川大に進学。在学中に米国に留学し、ＩＴ起業家に憧れた。卒業後は東京の広告会社などで勤め、社会人４年目で独立を決意。香川県へ戻り、企業や自治体から動画制作などを請け負うようになった。

　小中高の教員免許を持ち、「メディアリテラシー教育」の支援事業にも取り組む。上郡町からも依頼があれば、中高生らに出前授業をしたいという。「楽しい動画もコツコツと積み上げ、ふるさとの美しい風景を発信していきたい」