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「宿神」の蔵出しを待つ(左から)鶴田拓哉さん、奥藤利文さん、菅原真樹さん、坂本尚志さん=赤穂市坂越
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「宿神」の蔵出しを待つ(左から)鶴田拓哉さん、奥藤利文さん、菅原真樹さん、坂本尚志さん=赤穂市坂越

 兵庫県赤穂市坂越、大避(おおさけ)神社の祭神で、能楽や雅楽の祖と伝わる秦河勝(はたのかわかつ)にささげる日本酒「宿神(しゅくじん)」が26日、近くの酒蔵・奥藤酒造で蔵出しされる。佐用町の棚田で収穫された酒米を、市内唯一の蔵元が千種川の伏流水で仕込んだ。清流の千種川水系を通じて「能」と「農」をつないだ酒を、能の奉納とともに披露する。(坂本 勝)

 同市御崎の交流拠点「赤穂サンクチュアリ」で活動する坂本尚志(たかし)さん(45)=同県佐用町出身=が、千種川流域の開発に尽力した秦河勝に奉納する酒造りを企画。酒米は、同県たつの市御津町発祥で明治・大正期に全国で広く栽培された「神力」を使った。

 米農家の鶴田拓哉さん(45)が佐用町桜山の棚田を借り、山から染み出る湧き水を引いて無農薬で栽培。昨年6月のお田植え祭では、姫路の能楽師江崎欽二朗さんと小鼓奏者の上田敦史さんが「翁」を奉納した。同11月の収穫はハワイ先住民の航海術を使う古式帆船カヌー「ホクレア号」の乗組員で、赤穂市に移り住んだ菅原真樹さん(59)=西宮市出身=らも参加した。

 酒造りの依頼を受けた奥藤利文社長(65)は「これまで神力を使う機会はなかったが、神の宿る酒造りという物語に引かれた」と振り返る。精米歩合80%の米を手間暇を惜しまぬ昔ながらの生酛(きもと)造りで仕込んだ。

 蔵出し前日には坂越湾の生島(いきしま)で秦河勝の墓所に奉納する。「千種川流域や伝統芸能を愛する皆さまに愛されるお酒になればうれしい」と鶴田さん。坂本さんは「秦河勝や千種川への思いを込めた酒をゆかりの地へ奉納したい」と意気込む。

 蔵出しとお披露目の会は申し込みを終了。販売は27日からで、720ミリリットル2200円、1・8リットル4290円。奥藤酒造TEL0791・48・8005

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