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木村病院の外科医・直腸脱の専門医 西田十紀人さん
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木村病院の外科医・直腸脱の専門医 西田十紀人さん

 痔(じ)や裂肛(れっこう)など肛門疾患が専門の木村病院(兵庫県姫路市南八代町)に昨年10月、肛門から直腸が飛び出してしまう「直腸脱」の専門医として着任した。その後の4カ月間で、すでに20件もの手術を行った。患者の多くは高齢女性。「すっきりした顔で退院していく姿を見送るたび、やりがいを感じます」とほほ笑む。

 「リラックスしてくださいね」。診察では「吸角」という吸引器具をお尻に当て、患部をじっくり診る。直腸脱は患部からの出血や便漏れで下着が汚れ、便秘や排便がうまくできないなど、生活に大きな影響が及ぶ。患者の多数を占める高齢女性は、加齢や出産で直腸を支える組織や筋肉が弱ってしまうことが原因で発症し、恥ずかしさから周囲に相談できず、悩みを抱えてしまう人が多いという。

 丹波篠山出身の5代前の先祖が大阪の適塾に通い、日本近代医学の祖とされる緒方洪庵に学んだという。自身は甲陽学院高(西宮市)から東京医科大へ。神戸大付属病院の外科部門から医師生活をスタートし、35年間のキャリアの半分以上を播磨地域の病院で過ごしてきた。2007年に着任した市立加西病院で、直腸脱の患者に接する機会が増加。体への負担が少なく、再発率の低い手法を模索しながら、年20~30件の手術をこなしてきた。

 「医者としての生活も最終盤なので、できるだけ多くの患者さんに接したい。放置しても治る病気ではないので、違和感がある人は早めに相談してほしい」と呼びかける。(井上 駿)

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