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智頭急行のイベント列車「あまつぼし」を待つ参加者たち=上郡駅
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智頭急行のイベント列車「あまつぼし」を待つ参加者たち=上郡駅
桜が満開の千種川沿いで開かれた桜回廊堪能ツアー=上郡町(安則真一さん提供)
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桜が満開の千種川沿いで開かれた桜回廊堪能ツアー=上郡町(安則真一さん提供)

 兵庫県・西播磨を流れる清流・千種川沿いに国内外から自転車愛好家を呼び込もうと、同県上郡町の住民たちが一風変わったツアーを主催している。「愛車」とともに列車に乗り込んで車窓からの眺めを満喫した後、川沿い約33キロをのんびりとペダルをこいで下る。途中、佐用や上郡の住民によるご当地ならではのもてなしもあり、活動の輪は流域に広がりつつある。(地道優樹)

 4月1日、上郡駅ホームには、愛車を携えた男女25人の姿があった。県内外からツアーに参加した10~80代で、貸し切った智頭急行のイベント列車「あまつぼし」に乗り込んだ。同県佐用町の平福駅まで川沿いの景色を楽しんだ。

 ツアーは智頭急行の協力を得て、上郡の住民でつくる「上郡校区まちづくり推進委員会」が企画。昨年秋に試験開催したツアーが好評で、今回は「桜回廊堪能ツアー」と銘打った。

 平福駅に到着した一行は地元観光ガイドの春名政男さん(73)に案内され、江戸時代に宿場町として栄えた平福地区を散策した。ツアーを盛り上げようと、同地区に住む60~80代の女性11人が「おもてなし会」を結成。教岸寺の境内に茶席を設けてふるまい、メンバー5人が琴の音色を響かせて歓迎した。

 ツアーに同県宍粟市から母と参加した女性(23)は「非日常感があって新鮮」とにっこり。同会の黒川弘美さん(79)は「作戦会議を重ねたかいがあった」と声を弾ませた。

 午前11時過ぎ、参加者は愛車にまたがり、出発。川沿いの桜並木を走った。桜吹雪が舞う中、川の土手で弁当を広げた後は、上郡町苔縄の赤松公民館へ。厚紙や古布で鎧(よろい)かぶとを制作する地元住民グループ「赤松手づくり鎧、かぶとの会」の約15人に着付けをしてもらい、武将姿に変身した。

 一行がゴールの上郡駅に着いたのは午後5時前。友人と走った同県尼崎市の女性(28)は「初心者だけど、上り坂が少なく、景色を楽しめた」。サイクリングコースとして人気が高い瀬戸内の「しまなみ海道」でガイドを務める三島誠治さん(50)は「切れ目なく続く桜並木が印象的。山城跡など歴史スポットも多く、ここでしかできない体験ができた」と汗を拭った。

 住民たちは国内の愛好家だけでなく海外にも目を向ける。2025年の大阪・関西万博などを見据え、訪日客の参加を促したい考え。次回ツアーは紅葉シーズンの11月に実施予定で、主催者の安則真一代表(74)は「千種川沿いを『サイクリングの聖地』にしたい」と話している。

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