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「願いの泉」の整備に尽力した岡田初雄さん=宍粟市波賀町飯見
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「願いの泉」の整備に尽力した岡田初雄さん=宍粟市波賀町飯見

 兵庫県宍粟市波賀町飯見の棚田にある湧水「願いの泉」が改修工事され、奇麗な石垣に囲まれた場所に生まれ変わった。元は一部の農家だけが知る湧き水だったが、地元住民が「広く知ってもらい、後世につなげよう」と考え、県の補助金を活用して石垣を整備した。(村上晃宏)

 

 飯見地区には約17ヘクタールに171枚の棚田が広がり、水は全て山からの湧き水を使う。2022年、優れた景観を国が認定する「棚田遺産」に選ばれた。

 「願いの泉」は山からの水が湧く場所で、近くに田んぼを持つ農家にのみ知られていた。かつては田んぼ仕事の合間に一息入れる水飲み場としても利用されていたという。

 棚田の農家でつくる「飯見夢むら棚田の会」の岡田初雄会長(78)は、15年ほど前に湧き水の存在を知り、「棚田の歴史に欠かせない湧き水を広く知ってもらおう」と考え、7年前に「願いの泉」の看板を設置した。水が落ちる場所に器を置き、石を投げ入れると願いがかなうという遊び心を取り入れた。

 棚田遺産の認定を機に、県の「ふるさとの風景づくり事業」を利用し、約70万円をかけて整備。雑草に覆われていたのり面部分を周囲の風景に溶け込むように石垣で囲み、石を敷いて湧き出る場所がよく見えるようにした。近くには願い事を書いて投げ入れるための小石を用意している。

 岡田会長は「田んぼの担い手は少なくなっているが、この湧き水を棚田の遺産としてつないでいきたい」と力を込めた。

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