江戸時代、千種川東岸に赤穂東浜塩田(兵庫県赤穂市)が整備され、にがりを多く含ませた「赤穂の塩」が、江戸っ子たちの評判を呼んだという。戦後、塩田の廃止で伝統の味も途絶えたが、赤穂秘伝の製法を受け継いだ商品が地元でよみがえり、ロングセラーとなっている。今年発売50年の「赤穂の天塩(あましお)」。復活を後押ししたのは、消費者の舌の記憶だった。(段 貴則)
赤穂の塩づくりは古代から続き、江戸期に赤穂藩が塩を江戸に送って領内を豊かにしようと、大規模な塩田開発に乗り出した。
東浜は、にがりを含む差塩(さしじお)製法を秘伝とした。砂を敷いた塩田に海水を導き、天日乾燥させて砂の表面に塩の結晶をつくる。さらに海水をかけて塩分濃度を高めた海水にし、石釜で煮詰め、塩を取った。煮詰める途中、にがりを含ませるのが同製法の特徴で「にがり入りの赤穂の塩」として名を広めた。
昭和に入ると、にがりをほとんど含まないが、工場で大量生産できる製塩法が登場。1971年、国内の塩田が廃止となり、赤穂東浜塩業組合も解散した。
にがりを含む伝統的な塩が市場から消えると、消費者から「漬けものやみその味が変わった」との声が上がり始めた。にがりは微生物の栄養源となり、発酵を促進する働きがある。にがりを含む塩を求める運動が広がり、国会でも取り上げられたという。
昔ながらの塩の復活に向け、白羽の矢が立ったのが、同組合の化成品部門を母体とする赤穂化成(兵庫県赤穂市坂越)。塩田廃止を見据え、にがりの調達先として日中の国交回復前から中国側と交渉し、技術指導も行っていた。73年、中国の塩田からにがりなどを輸入し、赤穂で製塩した「赤穂の天塩」が誕生した。
現在は、世界自然遺産海域のオーストラリア・シャーク湾の塩田から原料を調達。太陽熱と風の力で2年かけて海水を濃縮した天日塩とにがりを輸入し、赤穂で製塩する。同社担当者は「時代時代で一番いい原料を仕入れ、昔の東浜の塩に近い成分、味を再現している」と話す。江戸っ子の記憶の名残なのか、現在も関東でよく売れるという。
広報担当者に天塩を使ったお薦めのメニューを聞くと、「塩むすび」と即答。「まろやかな塩味がダイレクトに感じられる」と話す。
天塩がロングセラーとして定着する一方、近年、「原点回帰」の動きもある。播磨灘の水質改善もあり、赤穂の海水を原料にした塩づくりも始めた。昔ながらの平釜でゆっくり結晶させ、にがりを含む「赤穂の天塩プレミアム」として販売。同社は「食塩に比べ、天塩は高価格だが、にがりにこだわった赤穂の塩づくりを続けたい」としている。

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