田んぼが広がる兵庫県姫路市郊外。のどかな風景の中で、西洋風の城が悠然とそびえ立っている。同市打越のテーマパーク「太陽公園」にある白鳥城。城の全体像をつかもうと、ドローンで上空から撮影してみた。（辰巳直之、森下陽介）

　城は総工費約４０億円をかけ、２００９年に完成。ドイツ・ノイシュバンシュタイン城をモデルに再現した。高さ約４５メートルの威容が小高い山の頂でひときわ存在感を放つ。ドローンで城の周りを回ると、精緻な建築意匠など細部のこだわりが伝わってくる。

　完成以来、公園のシンボルとして親しまれてきた。最近ではコスプレイヤーが撮影目的で訪れ、映画やドラマのロケ地としても利用されている。

　公園全体が異国の雰囲気にあふれている。約千体ある兵馬俑（へいばよう）のレプリカ、ピラミッドやパリ・凱旋（がいせん）門のミニチュア…。世界２０カ国約７０種類の名所や建造物が並ぶ。同公園を運営する「太陽福祉グループ」の創業者門口堅蔵氏（２０１５年死去）が、遠出しにくい障害者や高齢者に海外旅行気分を味わってもらおうと整備した。

　７階建ての城内では、目の錯覚を利用したトリックアート作品なども楽しめる。山田倫之公園長（４７）は「ここでしか撮影、体験できないものを多くそろえている」と胸を張る。

【太陽公園】１９９２年開園。約１５．８ヘクタールの敷地に、白鳥城が立つ「城のエリア」、天安門や万里の長城のミニチュアが並ぶ「石のエリア」がある。山陽自動車道の山陽姫路西インターチェンジから車で５分。ＪＲ姫路駅から路線バスも運行している。午前９時～午後５時。不定休（荒天時休園）。入園料は高校生以上１５００円、７５歳以上と小中学生７００円、小学生未満無料。同公園ＴＥＬ０７９・２６７・８８００