港町としての歴史が深い赤穂市の坂越地区で、外国人向けの観光地を目指す取り組みが始まった。ハワイで長く暮らし、今年1月赤穂に移住した水中写真家の菅原真樹さん(60)が仕掛け人となり、古民家を活用したり英語が堪能な地域住民らを観光ガイドにしたり。今月初旬には米国やカナダなどの学生ら約40人を迎え、住民らが協力し、歴史紹介や異文化体験でもてなした。(小谷千穂)
坂越の駐車場に止まったバスから海外の学生らが降り立つと、大漁旗を振る住民らは元気よく歓迎する。「ウエルカム!」。着物を着た幼稚園児も待ち構え、学生らは感嘆の声を上げながらカメラを向けた。その中でサムライ姿でホラ貝を吹いて盛り上げたのが、企画者の菅原さんだ。
西宮市出身の菅原さんは、26年間ハワイで過ごして海が身近にあった経験から、現地で暮らしながら全国の小学校や幼稚園で環境授業を続けてきた。2020年には環境保全や地域活性化を目指すNPO法人を設立。活動で西播磨を回った際、山と海と川がそろう赤穂が気に入り移住を決めたという。