JR神戸線やポートライナーが運転見合わせとなり、構内に伸びるほどのタクシー待ちの行列ができた=15日午前8時24分、神戸市中央区、JR三ノ宮駅(撮影・鈴木雅之)
JR神戸線やポートライナーが運転見合わせとなり、構内に伸びるほどのタクシー待ちの行列ができた=15日午前8時24分、神戸市中央区、JR三ノ宮駅(撮影・鈴木雅之)

 台風7号は15日午前に和歌山県に上陸し、兵庫県も暴風域に入って風雨が強まり、ほぼ県内全域で大雨、暴風警報などが発表された。神戸新聞社の調べでは、県内の複数箇所で土砂崩れや倒木があり、少なくとも5人が軽傷を負った。同日午前10時半の時点で、少なくとも16市5町で240人が避難した。鉄道各社も始発から多くの路線で運転を見合わせた。

 洲本、南あわじ、淡路、丹波、西宮市は同日午前までに「高齢者等避難」を発令。他市町を含めて避難所が開設された。

 強風にあおられて転倒する人も相次いだ。西宮市では70代男性が右肩を打ち、高砂市で90代女性が頭を打ってそれぞれ軽傷。神戸市内でも男性3人が軽傷を負った。播磨町では電柱が倒れ、加古川市や丹波篠山市、南あわじ市などでも倒木を確認。新温泉町では県道に土砂が流れ込み、香美町の国道482号などでも土砂崩れがあった。

 気象庁によると、神戸市中央区で午前7時ごろ、最大瞬間風速35・7メートル、最大風速(10分間の平均)22・5メートルを記録し、いずれも同11時時点で全国2位となった。神戸市中央区の最大瞬間風速35・7メートルは、8月の観測史上最高だった。

 また、12時間降水量は午前10時半までに、香美町・兎和野高原で149・5ミリ、新温泉町で129・5ミリを観測した。養父市八鹿町では128・5ミリで、8月の観測史上最多となった。香美町香住区では15日午前4時過ぎまでの1時間降水量が64・0ミリに達した。

 鉄道では、JRが京都線、神戸線の京都-姫路間▽山陽線姫路-上郡間▽宝塚線尼崎-篠山口間-などで運休。阪神電鉄では本線尼崎-大阪梅田間、なんば線尼崎-大阪難波間で運転を見合わせた。阪急電鉄は、始発から神戸線と宝塚線で普通のみを運転。山陽電鉄は一部区間を除いて運転を見合わせ、神戸電鉄も全線で始発から運転を見合わせた。(まとめ・井川朋宏、勝浦美香)