学校の食堂運営が苦境に陥っている。食堂運営会社「ホーユー」(広島市)が破産手続きに入ったことで学校給食などの提供が突然停止し、経営の厳しさが明らかになった全国の食堂事業。兵庫県内でも県立7高校の食堂が閉鎖に追い込まれた。再開した学校もあるが、関係者は「10年以上前から苦しかったしこれからも苦しい」と明かす。こうした状況を受け、県も9月に緊急の支援策をまとめるなど対応に追われている。
(鈴木雅之)
「はい、から揚げマヨ丼の人~」。鳴尾高校(西宮市)の食堂では昼休みになると、生徒たちが次々と食堂を訪れ、定食などを注文していった。多い時で約120食が売れるという。
ホーユーが運営していたため、同校の食堂も9月中旬、いったん閉鎖する事態に。物価高などを受けて、2023年度からは定食の値上げに踏み切ったばかりだった。新たな事業者が決まり、再開したのは10月10日。県内7高校(鳴尾、舞子、川西北陵、明石南、明石北、加古川南、三木東)の中では最も早かった。
県教育委員会によると、ほかの6校のうち、舞子も10月中に再開。残りの5校についても事業者を公募するなど、再開に向けて動いているという。
学校に食堂の設置義務はないものの、県立136高校のうち食堂があるのは現在106校。約10年前と比べると6校減ったという。
県では施設利用料は取らず、光熱費のみを徴収している。それでも、人件費や材料費を支出すると、事業者の利益はわずかという。食堂の自動販売機は事業者が置き、こちらは設置使用料を取っているが、それでも自動販売機の売り上げが事業者の利益を支えているのが実態という。
少子化やコンビニの普及などに伴い、食堂の利用者はどの学校でも「多くて2割程度」(県教委)という中、新型コロナウイルス禍と物価高が押し寄せたことで、食堂事業者の窮状があらわになった。
対応を急ぐ県は、安定的な食事提供のための緊急支援策を盛り込んだ23年度一般会計補正予算案を9月開会の県議会定例会に提出。事業者が置く自動販売機の10月~来年3月分の設置使用料を免除するほか、利用促進に向けた新メニュー開発などで1校あたり10万円の補助を決めている。
今回のような事態に陥るまで、食堂運営業者と学校との値上げ交渉もなかなか進まなかったのが実情だったという。県内の高校で食堂を運営する業者は「もう何年も前から、不景気でお弁当を持参する生徒が増えていた。かたや、油の値段は4~5年前の約2倍。仕入れ値の高騰は数年前から始まっていて、どの業者も厳しい」と現状を嘆く。























