神戸

  • 印刷
工夫を凝らした民族料理をワンプレートで提供。今月のメニューはキューバだ=JICA関西
拡大
工夫を凝らした民族料理をワンプレートで提供。今月のメニューはキューバだ=JICA関西
見た目も鮮やかな月替わりメニューのパンフレット=JICA関西
拡大
見た目も鮮やかな月替わりメニューのパンフレット=JICA関西

 世界中の多彩な食文化に触れてもらおうと、JICA関西(神戸市中央区脇浜海岸通1)の食堂で提供している月替わりの民族料理が、15年以上にわたって人気を集めている。日本人の口に合う味に調節したり、手頃な値段で楽しめるよう食材を厳選したりと工夫を凝らし、これまでに約80カ国のメニューを考えてきた。

 食堂は、世界各国から滞在する研修生のために開設されたが、一般客も利用できる。JICA関西によると、地域住民や観光客らにさまざまな国の料理を楽しんでもらおうと、2007年に「月替わりエスニック料理」を始めた。

 どの国の料理を選ぶかは、独立記念日や、近くにある県立美術館の展示内容などを参考に決める。領事館がメニューの監修に参加することもあり、食堂の看板として定着した。

 22年は、美術館の「古代エジプト展」と連動し、2月にエジプト料理を提供。月の売り上げ個数の半数近くを占めた。8月のチュニジアは、現地の特産品であるレモンに着想を得たレモネードが、季節にもぴったりと人気を集めた。

 一方で、日本人になじみの薄い国を取り上げることも多く、メニューの検討や食材選びにはさまざまな苦労がある。南太平洋のサモアは、日本では入手できない食材が主食。アフリカ南西部のナミビアは、植民地時代の影響からか、調べてもドイツ料理しか出てこなかった。

 また、どの国の料理であっても、価格はワンプレート一律740円という制約も。手に入れやすい食材を最大限に活用し、アレンジを加えるなどして対応してきたという。

 食堂主任の女性は「味を忠実に再現しようとすると、辛すぎたり甘すぎたりすることが多い。特徴を生かしつつも、日本人に受け入れてもらえるよう、くせの強さを抑えることが大切」と話す。

 今月のメニューは、チキンマリネやサラダ、ブラックビーンズの煮込みなどが並ぶキューバ料理だ。キューバはハリケーンの多発国ながら、迅速な避難行動により犠牲者が非常に少なく「世界の防災モデル」と評価されている。そうした点を踏まえ、17日が阪神・淡路大震災発生日の1月の料理に選んだという。

 食堂の一般営業は午前11時半~午後2時、午後5時半~9時。年末年始以外は無休。月替わりエスニック料理のメニューは、JICA関西のウェブサイトで紹介している。

神戸
神戸の最新
もっと見る
 

天気(10月22日)

  • 19℃
  • 14℃
  • 60%

  • 19℃
  • 14℃
  • 30%

  • 17℃
  • 12℃
  • 60%

  • 18℃
  • 13℃
  • 50%

お知らせ