決勝の試合前、選手にノックをする報徳の大角健二監督(中央)=31日午後、甲子園球場(撮影・笠原次郎)
決勝の試合前、選手にノックをする報徳の大角健二監督(中央)=31日午後、甲子園球場(撮影・笠原次郎)

 紫紺の大旗を目指し、最後まで力を尽くした。31日、西宮市の甲子園球場で行われた第96回選抜高校野球大会決勝に敗れた地元兵庫の報徳。「選手はよくやった。確固たる力になった」。22年ぶりの栄冠は逃したが、就任7年の大角健二監督(43)は名門の伝統を受け継ぎながら柔軟な発想で選手の成長を促し、母校を2年連続で準優勝に導いた。

 1点差で惜敗した高崎健康福祉大高崎(群馬)との決勝。観衆3万4千人超が詰めかけ、重圧がかかる中でも、鍛えた守りは崩れなかった。試合後、涙ぐむ選手に向け、指揮官は「ここまで連れてきてくれて、ありがとう。夏また帰ってこよう」と声をかけた。

■間木歩主将「野球以外の面が大切だと、この甲子園で理解できた」