女性が服用したという小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」
女性が服用したという小林製薬のサプリメント「紅麹コレステヘルプ」

 小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントによる健康被害問題で、サプリを2月中旬まで3カ月余り服用していた神戸市内の60代女性が27日、神戸新聞の取材に応じた。服用を中止した現在も腎機能障害がみられ、完治しない恐れがあるという。女性は「健康だけが自慢だったのに。信頼を裏切られた。小林製薬の対応は遅くて不十分で、不安で怒りがこみ上げている」と心境を語った。(勝浦美香)

 女性は健康診断でコレステロール値が高かったことを受け、昨年10月末から同社の「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を服用した。健康被害が確認されたロットの製品も含まれ、12月下旬から食欲不振や発熱などの症状が出た。胃腸風邪を疑いかかりつけ医を受診したが治らず、体重が落ちる、階段が上がれなくなるなど生活に支障が出始めた。別の病院で血液検査をしたところ、腎機能の状態を表す指標が急激に悪化していることが分かったという。

 紹介を受け、今年1月末に神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)を受診した。翌月、入院して検査を受けたところ、尿細管が傷つき体に必要な成分が再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」であることが分かった。