「古酒の文化を復活させたい」と意気込む匠創生の安村亮彦代表。後ろは古酒を貯蔵、熟成させているステンレス製容器=加古川市野口町良野
「古酒の文化を復活させたい」と意気込む匠創生の安村亮彦代表。後ろは古酒を貯蔵、熟成させているステンレス製容器=加古川市野口町良野

 10年以上熟成させた日本酒(古酒)を、全国各地の酒蔵から集めた蔵置場が加古川市にある。パソナグループの「匠創生」(淡路市)が昨年、10の酒蔵と設置した「日本の古酒蔵」。世界的に評価が高まるビンテージウイスキーのようにブレークするか。市場の活性化を狙う加古川発の古酒に熱い視線が注がれている。

■かつては文化だった

 加古川市内で唯一の酒造会社「岡田本家」=同市野口町=の一角。使われなくなった蔵にステンレス製のたる(約200リットル)が並ぶ。光を遮断した銀色の中に10年以上の古酒が眠る。

 「江戸時代には古酒が重宝され、日本の文化だった。それを復活させたい」。上物として「九年酒」などが高額で取引された時代を振り返り、匠創生の安村亮彦代表(44)が熱く語る。2017年、社内ベンチャー制度を活用し、酒蔵の職人支援事業として古酒を手がけ始めた。