百条委員会の証人出頭要請を受け、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=2日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・小林良多)
百条委員会の証人出頭要請を受け、報道陣の取材に応じる兵庫県の斎藤元彦知事=2日午後、神戸市中央区、兵庫県庁(撮影・小林良多)

 兵庫県の斎藤元彦知事らを告発する文書を作成した元西播磨県民局長の男性が死亡した問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)は2日、斎藤知事のパワハラ疑惑を調べる証人尋問を23、30日に開くことを決めた。斎藤知事は自身への尋問が30日と決まり、報道陣の取材に「しっかり調査に対応させていただく」と話した。

 百条委は8月下旬から11月ごろにかけ、告発文書で指摘されたパワハラや、企業からの贈答品受領など疑惑7項目について証人尋問をする。パワハラ疑惑に関する尋問を先行し、23、30日の2日間で斎藤知事を含めて職員ら計11人の出頭を求めることを決めた。9月以降、パワハラ以外の項目に関する証人尋問でも、必要に応じて斎藤知事の出頭を要求するという。

 百条委は原則公開だが、証人尋問を控えた元局長が自死したことを踏まえ、個人のプライバシーや証人の心理的ストレスなどを考慮して非公開の「秘密会」も採用する。委員会の審議を公開するとしても、証人の職位や意向を踏まえて「インターネット中継をしない」「パーティションで囲う」など柔軟に対応する。

 百条委の奥谷謙一委員長は報道陣の取材に対し、原則的に特別職や部長級以上の職員は審議を公開し、それ以外は秘密会にすると説明。23日は秘密会で6人を、30日は秘密会で2人、公開で3人を尋問する予定を示した。だが委員から「一般職員でも公開での尋問を望む場合は希望に沿うべきではないか」という意見があり、本人の意向次第で公開するとした。

 奥谷委員長は「誰かを攻撃するのではなく事実を確認することが目的」とし、事実認定だけでなくパワハラに当たるかどうかの評価も含め、弁護士の意見を聞きながら百条委として結論を出したいとした。(金 慶順、岩崎昂志)