新春に商売繁盛を祈願する「十日えびす」(1月9~11日)に向け、兵庫県宝塚市の縁起物製造卸会社「エビスシマダ」で、えびす面の製作が最盛期を迎えている。工房には手作業で一つ一つ描かれた福々しい表情がずらりと並ぶ。
同市北部の西谷地区では、かつて農閑期の収入源として縁起物を作ったと伝わる。この地で明治初期に創業した同社は、えびす神や大黒天の面を飾り物と合わせ、熊手(福さらえ)や福箕に仕立てる。
面は焼き物のほか、樹脂製や紙製もある。「えべっさん」の総本社・西宮神社を中心に全国の神社や業者に年間10万個を出荷する。
5代目の島田康治社長(60)は「万博や阪神の優勝もあって関西が元気な年やった。来年も笑って過ごせるよう願いを込めて届けたい」と声を弾ませた。(小林良多)
























