神戸市の写真資料を保存・公開する「神戸アーカイブ写真館」(同市長田区二葉町7)が、阪神・淡路大震災の発生直後に撮影された記録写真の整理を進めている。うち923枚について撮影場所を特定し、現在の様子と比較できるようにして冊子にまとめた。発生から間もなく30年。このまちで起きた大震災の記憶を、写真は伝え続ける。(杉山雅崇)
■1万枚超を所蔵も「後世に残せない」
湊川公園(同市兵庫区)で撮影された1枚。黒煙が上がる街を、心配そうに見つめる人々が写っている。右下の日付は「95・1・17」。震災発生の日だ。別の写真では、線路脇の公園で被災者が不安そうな表情で体を休めている。自宅から持ち出したのか、脇には毛布や布団も見える。