神戸市の六甲山で25年前、市民団体「ブナを植える会」(同市灘区)が植樹したブナの木に、初めて実が確認された。六甲山でもかつてはブナ林が広がっていたが、地球温暖化の影響などで生息域が狭まり、国内で絶滅の危機にあるとされる。実がうまく成熟すれば今秋、種子になる可能性もあり、関係者は「ブナ林再生の第一歩」と注目している。(長沢伸一)
■31年ぶりの結実、種採取に期待
同会の桑田結会長(89)の案内で6月、同会が植樹したブナが育つエリアを訪れた。この四半世紀で、約100本が10メートル以上になったという。青々とした葉の合間から見える枝に、黄緑色の小さな球のような物が付いていた。「あれがブナの実なんです」。桑田会長が教えてくれた。