角界の看板力士として長く活躍した貴景勝(左)=1月、両国国技館
角界の看板力士として長く活躍した貴景勝(左)=1月、両国国技館

 突いて、押して。土俵上での姿のように、愚直に相撲道を突き進んできた。20日、現役引退を決意した芦屋市出身の元大関貴景勝。大関に通算30場所在位し、幕内優勝4度。長く角界を盛り上げ続けた令和の看板力士に、地元・兵庫の親族や恩師からねぎらいの声が相次いだ。

 父の佐藤一哉さん(63)は「よく頑張った」と、大きな決断を下した息子を思いやった。仁川学院小3年で相撲を始めた貴景勝が埼玉栄高へ進むまで、練習に付き添った一哉さん。「闘争心が強く、稽古熱心だった」。ぶつかり稽古では何度でも立ち上がり、勝利への執念は群を抜いていた。