小学校から虐待、ネグレクトの家庭で育ち、複雑性PTSDに苦しんだ体験を告白する羽馬千恵さん=神戸新聞姫路本社
小学校から虐待、ネグレクトの家庭で育ち、複雑性PTSDに苦しんだ体験を告白する羽馬千恵さん=神戸新聞姫路本社

 小学校から高校まで両親による虐待やネグレクト(育児放棄)を受けて育ち、成人後に重い精神疾患に苦しんだ姫路市の羽馬(はば)千恵さん(41)が、同じ境遇の人々への支援を呼びかけている。自身を「虐待サバイバー(生き延びた人)」と呼び、著書で体験を告白し、講演活動で周知を図る。「虐待事件が表面化すれば注目を集めるが、虐待後に苦しむ大人の存在は知られていない。社会の支援が必要だ」(津谷治英)

 1983年、赤穂市で生まれた。母親は23歳、実父は18歳。父親は育児に無関心で、娘の誕生直後に離婚した。

 小学生になって母が再婚し、義父から殴るなどの暴力を受けるようになった。妹が生まれると、料理をはじめ家事全般を押しつけられた。義父の愛情は妹に傾き「おまえはばかだ」とののしられた。