山崎晴恵氏
山崎晴恵氏

 宝塚市の山崎晴恵市長(55)は29日、4月に予定されている次期市長選には立候補せず、1期目の今期限りで退任する意向を明らかにした。会見で「市立病院の存続と財政収支の改善に一定の道筋をつけることができた」と理由を説明した。後継指名はしない。

 山崎氏は岡山市出身。損害保険会社勤務、参院議員秘書、明石市の任期付弁護士職員などを経て法律事務所を運営。前回2021年の市長選で、中川智子前市長の事実上の後継として立候補し、初当選した。

 1期目での退任について、山崎氏は「病院と財政改善の2点に道筋が付けば、宝塚市は持続可能になる」と話す一方、詳細については2月3日に説明の機会を設けるとした。

 再選を目指さない理由を問う質問には「できる限りのスピード感で、1期を全力で駆け抜けた。『何期やるか』よりも、『何を達成したか』が大切だと考える」と持論を述べた。今後の政治活動については「国政選挙に出ることは全く考えていない」とした。

 山崎氏は初当選時の選挙戦で中川氏の支援団体を引き継いだが、後援会組織は昨年いったん解散する形となった。関係者の間では、議会や庁内でのコミュニケーション不足などを指摘する声も出ていた。(冨田佳久)