兵庫県庁の庁舎=神戸市中央区下山手通5
兵庫県庁の庁舎=神戸市中央区下山手通5

 兵庫県の告発文書問題を巡り、知事選期間中に県議会調査特別委員会(百条委員会)の非公開情報などを政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に提供したとして、日本維新の会の岸口実副委員長と増山誠委員が20日、同委員会の委員を辞任した。県議会事務局が明らかにした。維新は県議2人が事実関係や経緯を説明する場を23日にも設ける方針。

 県組織・兵庫維新の会の金子道仁代表は20日、取材に応じ「県政を停滞させた重大な事案と受け止めている。非常に残念で申し訳ない」と言及。党本部の調査報告を受けて兵庫維新でも調査する意向を示し、「何らかの処分はあり得る」と述べた。調査結果を党紀委員会などに諮り、処分を検討するという。

 岸口氏は昨年11月に、告発文作成者の私的情報や、1月に亡くなった竹内英明前県議ら複数の百条委委員の実名を挙げて「黒幕」と批判した文書を、立花氏に渡す場に知人とともにいたことを認めた。党の調査には「どちらが渡したのか記憶が少しおぼろげだが、自分が渡したと言われても反論のしようがない」と説明していた。

 立花氏は自身が立候補した昨秋の知事選期間中、動画で取り上げ、交流サイト(SNS)上で拡散された。立花氏は今月、岸口氏から文書の提供を受けたと主張していた。

 一方、増山氏は19日に出演したインターネット番組で、知事選への影響を考慮し、非公開で行った百条委の証人尋問の音声データを立花氏に提供したと明らかにした。(金 旻革)