兵庫県の斎藤元彦知事への告発文書問題で、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に、県議会調査特別委員会(百条委)の非公開情報を提供するなどした日本維新の会の増山誠、岸口実、白井孝明の3県議が23日、神戸市内で会見した。3人は事実関係を認め、「県民に多大な迷惑をかけた」と謝罪した。維新の県組織・兵庫維新の会は週内にも、増山、岸口両氏の処分内容を決める見通し。
増山氏は同日付で離党届を提出した。岸口氏と白井氏は今後の党の処分を含め判断する、とした。
日本維新の岩谷良平幹事長と兵庫維新の金子道仁代表も会見し、「不適切な行動」と認めた。党本部は近く第三者による調査委員会を立ち上げ、兵庫維新のガバナンス(組織統治)を調べる。増山氏の離党届は処分決定まで受理しない。
増山氏が提供したのは、百条委が昨年10月、片山安孝元副知事に行った尋問内容などの音声データ。告示前だった知事選に影響を与えないよう秘密会で行われた。片山氏が文書作成者である元西播磨県民局長(死亡)のプライバシー情報を話したため、発言が制止される場面が含まれる。
会見によると、増山氏は立花氏に自ら連絡を取り、知事選告示日の同月31日に神戸・三宮のカラオケボックスで面会、非公開情報の音声データをLINE(ライン)で提供した。「県民に広く事実を伝え、正しい判断をしてほしかった」と主張した。
百条委の委員だった増山氏(辞任)と、副委員長だった岸口氏(同)は非公開の方針に賛成していた。増山氏は「重大な事実が証言され、公益性があると考え直した」と情報提供の妥当性を強調。「他の委員も秘密会の情報を外部で話していた。罰則がなく認識が甘かった」とも話した。
岸口氏は、元百条委委員で今年1月に死亡した竹内英明前県議らを知事失職の「黒幕」と名指しした文書を立花氏に提供する場面に同席。岸口氏は「民間人のお誘いで同席した。文書を誰が作成したかは分からない」「(文書は)事実か判断できなかった」と述べた。
白井氏は昨年11月、立花氏と電話でやりとりをした。3人は連携して立花氏に情報提供を行った事実はないと説明している。(金 旻革、斉藤正志)