兵庫県の斎藤元彦知事を巡る告発文書問題に絡み、日本維新の会所属の県議が昨年秋の知事選期間中、県議会調査特別委員会(百条委)の非公開情報などを政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志氏に提供した問題で、兵庫維新の会が増山誠県議を除名、岸口実県議を離党勧告とする方向で検討していることが24日、関係者への取材で分かった。
同日、神戸市で党紀委員会の初会合を開き、2人から非公開で聞き取りをした。岸口氏は百条委の副委員長、増山氏は委員を務めていたが、問題発覚後に辞任した。処分内容は25日の執行役員会で正式に決定するとみられる。
岸口氏は昨年11月1日、今年1月に死亡した竹内英明前県議らを知事失職の「黒幕」と名指しした文書を立花氏に提供する場面に同席。これまでの取材に「自分が渡したと言われても反論のしようがない」と話していた。
増山氏は昨年10月31日、知事選への影響を考慮し非公開とされた音声データを立花氏に漏えいした。音声には、百条委が昨年10月に実施した尋問の様子が記録されており、片山安孝元副知事が文書作成者である元西播磨県民局長(死亡)のプライバシー情報を話したため、発言が制止される場面が含まれる。
増山氏は24日の聞き取り後の取材に「委員会で判断していただき、重く受け止め対応していく」と話した。岸口氏は「説明すべきものはした」とし、自身の進退について「党の処分を踏まえて判断する」と述べた。