回遊性などが課題となっているJR元町駅周辺=神戸市中央区元町通2
回遊性などが課題となっているJR元町駅周辺=神戸市中央区元町通2

 神戸市は12日、JR元町駅周辺の再整備の検討を始めると発表した。JR西日本が2025年度中に駅のバリアフリー化に着手するのに合わせ、JR西や地元まちづくり団体、有識者とともにワーキンググループ(WG)をつくって歩行者空間や高架下などの在り方を話し合う。26年度末にも計画を策定し、27年度以降に設計や工事に入る。

 神戸中心部の再整備では、JR三ノ宮駅周辺で新駅ビルや高層ツインタワー1期ビルの建設が進み、神戸駅周辺では駅前広場のリニューアルが計画されている。一方で、両駅の間に位置する元町駅周辺は手付かずだった。

 市によると、元町駅南側は幹線道路で駅と市街地が分断されているため一帯を巡りにくく、歩行者空間はにぎわいに欠けているのが現状。ロータリーもあるが、あまり利用されていないという。

 WGは今夏にも立ち上げ、兵庫県や阪神電鉄もオブザーバーとして参加する予定。市中心部における元町駅周辺の位置付けや役割、目指すべき方向性のほか、耐震補強工事後の高架下と駅前広場の一体的な活用策などを協議する。

 市とJR西によると、元町駅には現在、エレベーターが西口にしかないが、東口にも設け、エスカレーターも整備する。完成時期は未定。西口の改札外から北側の県庁方面につながる階段のバリアフリー化は、県庁建て替え計画の動向を見て検討するという。

 久元喜造市長は「現在は駅周辺の公共空間が効果的に利用できていない。(再整備することで)三宮、元町、神戸駅の連続性や都心の回遊性をさらに高めたい」と話した。(斉藤正志)