津波注意報が発令され、遊泳禁止を知らせる看板=30日午後0時9分、神戸市垂水区海岸通(撮影・長嶺麻子)
津波注意報が発令され、遊泳禁止を知らせる看板=30日午後0時9分、神戸市垂水区海岸通(撮影・長嶺麻子)

 兵庫県では瀬戸内海沿岸と淡路島南部に津波注意報が発表された。津波到達予想時刻は神戸港と淡路島の洲本市が30日正午、姫路港が午後2時で、津波の高さはいずれも1メートルと予想。南あわじ市と尼崎市は沿岸住民や海水浴客などに避難指示を発令した。

 神戸市の須磨海水浴場(須磨区)とアジュール舞子海水浴場(垂水区)、明石市の大蔵海岸公園海水浴場、淡路島3市が開設する全12カ所の海水浴場が閉鎖するなど影響が広がった。

 神戸地方気象台によると、瀬戸内海沿岸と淡路島南部への津波注意報(警報含む)の発表は2011年3月の東日本大震災以来、14年ぶり。24年1月の能登半島地震では県北部に津波警報が出された。

 尼崎市は30日、臨海部の末広町、鶴町、東海岸町の3地域に避難指示を発令。地域内にあるクリーンセンターで避難者を受け入れている。南あわじ市は海岸付近にいる海水浴客、釣り客らに避難指示を出した。淡路島内の多くの漁業協同組合は漁の船を港へ戻した。

 神戸市須磨区の市立須磨海釣り公園は閉園。姫路市は市内の海水浴場に対し、遊泳禁止を呼びかけるように連絡した。

 神戸空港と関西空港を結ぶ高速船「ベイ・シャトル」は、30日午前10時以降に運航予定だった全便の欠航を決めた。注意報の解除で運航再開を検討する。

 兵庫県は同日午前10時半から県災害対策センター(神戸市中央区)で県幹部らを集めた津波災害対策連絡会議を開いた。神戸市は津波到達の可能性がある場所の防潮堤を順次閉鎖した。