本社前にマジックナンバーをカウントする看板を掲げ、歓喜の瞬間を待つサンテレビの担当者ら=神戸市中央区東川崎町1
本社前にマジックナンバーをカウントする看板を掲げ、歓喜の瞬間を待つサンテレビの担当者ら=神戸市中央区東川崎町1

 歓喜の瞬間を再び-。プロ野球阪神タイガースの優勝が秒読みとなった。阪神戦の中継を看板にするサンテレビ(神戸市中央区)は、V決定確率の高い9月上旬の放映を強化している。2年前にセ・リーグ優勝を決めた中継で最高視聴率を記録したこともあり、担当スタッフも力が入る。本社のロビーにはマジックナンバーをカウントする看板を設置。「ファンと喜びを分かち合いたい」と鼻息が荒い。(津谷治英)

 サンテレビは開局した1969年から阪神戦の中継「サンテレビボックス席」を開始。試合終了まで延長放映する姿勢を貫いて看板番組となり、虎党の支持を集めてきた。

 前回、18年ぶりにリーグ制覇した2023年はその蓄積を発揮。優勝を決めた甲子園球場でのゲームを中継した。しかも対戦相手はライバルの巨人。「伝統の一戦」と呼ばれる国民的人気カードとも重なった。

 ビデオリサーチの発表では、地上波テレビ中継の関西地区の平均世帯視聴率は20・8%(速報値)。同社が調査を始めて以来の最高値だった。

 阪神戦中継は、視聴率獲得を狙う関西の民放にとっては垂ぜんの的だが、虎一筋のサンテレビは勝敗、順位に関係なく年間を通じて熱戦を伝えてきた。球団創設90年の今年も優勝を確信。V争いがピークとなる9月は重点的に14試合の中継枠を押さえた。その結果、いずれも甲子園で行われる6、7日の広島戦、9、11日のDeNA戦の確保に成功。チームは9月14日に優勝が決まった2年前を上回るペースでマジックナンバーを減らしており、水野亮編成部長(51)は「狙い通り。あとは胴上げを待つだけ」と満足そう。