暑すぎた夏休み、どう過ごした-? 神戸新聞社は双方向型報道「スクープラボ」で、小中学生の保護者に夏休みの過ごし方に関するアンケートを実施した。子どもの外遊びについて「ほとんど」「全く」遊んでいないと答えた人は約6割にのぼり、猛暑の影響が色濃く表れた。旅費の高騰を嘆く声も多く寄せられ、物価上昇が家族の体験に制約を与えている様子もうかがえた。(久保田麻依子)
アンケートは読者からの声を聞き取ることが目的で、無作為抽出の世論調査とは異なる。8月下旬にLINE(ライン)で呼びかけ、計154件の回答があった。
公園や虫捕りなど、屋外で遊ぶ時間帯について尋ねた質問では、「ほとんど遊んでいない」が64人と最も多く、「全く遊んでいない」(29人)と合わせて6割となった。時間別では「夕方」(19人)▽「日中」(17人)▽「午後」(12人)-と続いた。
「ほとんど」もしくは「全く」遊んでいないと回答した人に、記述式で理由を尋ねたところ「暑すぎて外に出られない」が多数を占めた。「公園の遊具が熱すぎてやけどする。暑さで5分も立っていられない」(神戸市、40代女性)▽「児童クラブ(学童)でも暑さ指数が一定を超えると外で遊べない」(東播磨地域、40代女性)▽「部活は午前7時半から開始し、暑さをみて早く帰宅してくる日もあるなど、学校が臨機応変に対応していた」(神戸市、40代女性)-など切実な事情がうかがえた。
環境省の統計によると、兵庫県内では「熱中症警戒アラート」が7月に23日間、8月に25日間発令され、夏休みの大半で、屋外での活動を控えるよう呼びかけられた。このため「ゲームや動画視聴の時間が長くなった」(神戸市、40代女性)との声も寄せられ、生活スタイルに大きな影響を与えたことがうかがえる。
旅行に関する項目では、宿泊を伴う旅行に「行った」と答えた人が6割、「行っていない・予定なし」が約3割だった。費用については、想定予算より「高かった」とした人が5割弱で最多となった。特に支出が多かった項目として、宿泊費、食費、ガソリン代と回答した人が目立った。7月の消費者物価指数は111・9と前年同月比で3・1%上昇している。
阪神北地域の40代女性は「全国大会で東京へ行ったが、観光バスの値段が想像を大きく超えた」とし、東播磨地域の50代男性は「宿泊費、飲食費が高く、昨年と同じプランでも5千円値上げしており、旅行を断念した」と回答。物価高が夏季のレジャーに影を落としていることがうかがえる。
夏休みの宿題に関する項目では、学校で必ず取り組む宿題の有無について尋ねたところ、95%が「あった」と回答。このうち量については「やや多いが取り組める量だった」「ちょうど良かった」と答えた人が約6割、「やや少ない」「少なすぎる」は3割弱だった。一部の自治体では、児童生徒が所有するタブレットで取り組む「デジタルドリル」を導入。便利さから賛同の声がある半面、「紙のドリルより量が少ない」「(デジタルでは)親が把握できない」など戸惑いも聞かれた。
作文や自由研究、工作などの課題で、保護者が手伝う機会について「あった」が6割超、「なかった」が約3割で、家庭での関わりが求められる課題も多かったことが分かる。
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