戦後80年がたち、民間建立の戦没者慰霊碑の維持管理が課題となっている。厚生労働省の調査によると、兵庫県では485基のうち、問題があるとされたのは26基。背景には、遺族会など管理者の高齢化がある。厚労省は移設や補修の補助制度を拡充し、碑の再調査も行う。(田中真治)
加古川市北部、志方町の西中地区。山裾の共同墓地の一角に、12人の戦没者をまつる慰霊碑がある。建立は1949(昭和24)年。土台は所々ひび割れ、傷みや汚れも目立つ。
「3年前までは碑の前で慰霊祭をやっとったけど、『もう終わりにしても』と話が出て。お性根(魂)を抜いて、それぞれのお墓に入れた」。遺族の広瀬陸洋さん(83)はそう話す。