自分たちでおこした火をストーブにともす児童たち=23日午前、神戸市灘区六甲山町、六甲山小学校(撮影・鈴木雅之)
自分たちでおこした火をストーブにともす児童たち=23日午前、神戸市灘区六甲山町、六甲山小学校(撮影・鈴木雅之)

 標高795メートルにある六甲山小学校(神戸市灘区)で23日、石造りのまきストーブに火をつける「火入れ式」が開かれた。二十四節気の一つ「霜降」に合わせた恒例行事。午前9時の時点で気温が10度と冷え込む中、児童たちが手で火をおこし、ストーブのまきが燃え上がると、歓声を上げた。

 同校の気温は平地より5、6度低く、10度を下回ると、同校職員がストーブに火をつけ、登校してくる児童たちを迎え入れる。

 4~6年の児童約30人が、体育館で木の板と棒をすりあわせて火をおこす「舞錐式火起こし器」に挑戦。その火をトーチに移し、6年生がストーブまでそっと運んだ。めらめらと燃えるストーブに、全校児童が順番にあたり「あったかい」「気持ちがいい」と笑顔を見せた。

 6年寺政藍さん(12)は「皆で心を一つに火起こしできて、仲がより深まった気がする。6年で最後だったから、火を付けられて良かった。このストーブで冬を乗り越えられそう」とほっとした様子だった。(尾仲由莉)