珠洲市での活動について話す森田貴志さん=石川県・珠洲市役所(撮影・斎藤雅志)
珠洲市での活動について話す森田貴志さん=石川県・珠洲市役所(撮影・斎藤雅志)

 阪神・淡路大震災を3歳で経験した西宮市出身の森田貴志さん(34)が、能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県珠洲(すず)市で復旧に尽力している。地域おこし協力隊員として市に採用され、避難者の相談対応や移住の推進を担う。発生から2年がたち、市内は半壊以上の家屋の解体がほぼ完了して更地が目立つ。森田さんは「復旧に向け、人手と受け入れる住まいが足りない」と課題を口にする。(田中宏樹)

 森田さんは西宮市屋敷町で1995年1月の阪神・淡路に遭い、自宅が全壊。「最も古い記憶があの震災」といい、倒壊したマンションの住民を救出する父の姿や、救援物資のおにぎりが硬かったことを覚えている。同年春には市内の仮設住宅に入居し、家族7人で数カ月間を過ごした。

 大学卒業まで同市で暮らし、就職後は東京などで生活。新型コロナウイルス禍の2022年12月に珠洲市に移り、地域おこし協力隊員として移住相談や空き家の活用などを任された。地震前は20~30代を中心に年間80人ほどが移住してきたといい、公私で人脈が広がった。

 24年元日の地震は千葉県の妻の実家で知った。知人らの顔が浮かび、安否が気になった。居ても立ってもいられず、新幹線と車で1月4日に帰宅した。