兵庫県警察本部=神戸市中央区
兵庫県警察本部=神戸市中央区

 兵庫県警は2026年度から、警察官の採用試験で「論文」を廃止する方針を固めた。待遇の良い民間企業に人気を奪われ、採用試験の受験者が減って競争倍率が低下する中、有望な人材に来てもらうため、受験のハードルを下げる狙いだ。論文を廃止するのは全国の警察で初めて。

 競争倍率がピークだったのは1994年度の28・3倍。受験者が最多だったのは03年度の1万172人(倍率13・4倍)だった。倍率は20年度に初めて5倍を切り、24年度は3倍まで低下。同年度の受験者はわずか1417人だった。

 倍率低下は警察官だけでなく全国の地方公務員で課題になっており、特別な対策が必要になる法律などの専門科目や論文が「敬遠される要因」とされてきた。

 県警では過去に、特殊詐欺や交通事故の対策、交流サイト(SNS)の危険性などをテーマにした論文を出題。近年は「1時間で800文字程度」にまとめさせていた。

 だが「論文の点数が低くても、採用後の仕事ぶりが優秀なケースは多い。採用した人材をどう育てるかが大切と考えた」と担当者。間口を広げ、民間企業の志望者を含む幅広い層から受験してもらおうと、論文廃止を決めたという。

 採用試験は年3回あり、全区分で論文は出題されない。それに代わり、一部の区分では簡単な「自己アピール文」を10分間で書いてもらう。担当者は「受験者を増やし、新たな人材を掘り起こしたい」としている。(山岸洋介)