議員任期の3分の2以上を残して23日に解散された衆議院。昨年夏には参院選もあり、物価高対策や消費税率引き下げの是非、「政治とカネ」問題への対応など、選挙で議論されたものの積み残されている課題は多い。今回の選挙でどんな論戦に注目するか。兵庫県内各地の有権者に聞いた。
「また選挙なのか。新たな連立政権で、まだ何も始まっていないのに」。兵庫県福崎町で夫と精肉店を切り盛りする女性(49)はため息をついた。
妖怪を用いた観光振興策を進める福崎町。店でも店頭に置いた妖怪人形付きベンチが功を奏し、欧米からの観光客も増えたが、女性は「大きな宿泊施設もなく、地域にお金が落ちていない。環境整備に国の支援を」と求め、「外国との関係悪化や不安定な経済などで世の中が落ち着かない今、庶民感覚を持って生活が豊かになる方法を考えてほしい」と望んだ。
女性靴を製造・販売するセレステ(神戸市長田区)の金森正文社長(53)は「政治に興味関心を持つ人が増えたので、国民に信を問う意味では良い」と衆院解散を肯定する一方、自民党の派閥裏金事件に関係した立候補予定者が公認され、「不信感が増した」と話す。
注目するのは、過去最高を更新した国の税収が国民に還元される政策だ。販売する靴の価格は7千~8千円が中心だが、食料品や日用品が値上がりし、「消費者の購買力が落ちている」と指摘。企業の社会保険料負担も利益を圧迫しており、「消費税減税や社会保険料の負担を軽減し、自由に使えるお金を増やせるように手を打ってほしい」と求めた。
農業に関する会社で働きながら、自ら兼業農家でもある淡路市の女性(55)は「日本の農業を維持するため、輸出増加策など利益が出る方法を考えてほしい」と訴える。
義父から農地を引き継いだが、害獣対策などの費用がかさみ、農地を十分に活用できていない。米の買い控えや燃料費高騰なども感じ、「現場目線でスピード感を持って対応してくれる人や党を選びたい」とする。
神戸市西区の会社役員の男性(48)は物価高対策に目を向ける。一時は低下した米の価格が再び高くなり、「衆院解散前に物価高対策を盛り込んだ予算を通してほしかった」。
政治への期待感は薄れているといい、「消費税減税など、選挙では威勢の良いことを訴える政党があるが、実現してもらえるか分からない」とこぼす。
同市東灘区で子育て中の主婦(31)は「夫の給与から天引きされている保険料の金額が高すぎて驚く」とし、社会保険料の論戦を注視する。少子化対策にも不満があるといい、2歳の息子を抱っこしながら「この子が大きくなったとき、同級生が少ない世の中になってほしくない」と話す。






















