2月8日投開票の衆院選は、私立大学などの受験シーズンを直撃する。2016年6月の改正法施行で投票できる年齢が「18歳以上」に引き下げられてから、国政選挙と受験のピークが重なるのは初めてで、人生の岐路に立つ受験生からは「選挙どころではない」との戸惑いの声が聞かれる。一方、入試を行う側も大音量の演説などによる影響を懸念。立候補者に配慮を申し入れた大学もある。
公職選挙法が改正され、「18歳選挙権」が実現してから今年で10年。投開票日翌日までに18歳の誕生日を迎える人が対象で、高校3年生の大半も含まれる。
関西では例年、2月1日前後に私立大の一般入試がピークを迎える。
「初めての選挙。行きたい気持ちはあるけど、まさかこのタイミングとは」
一部メディアの報道で「衆院解散、総選挙」の観測が強まった今月18日、大学入学共通テストの試験会場、甲南大(神戸市東灘区)から出てきた西宮市立西宮高3年平野雅人さん(18)は困惑気味に話した。
一緒にいた同高3年の生田悠人さん(18)は昨年、初めて投票を経験。私立大も受験する予定だが、具体的な懸念として、選挙運動に伴う「騒音」を挙げた。
以前、模試を受けている時に宣伝カーの音が聞こえてきて、集中が途切れた苦い経験があるといい「英語のリスニングテストの最中に選挙カーが通ったら致命的」と心配を口にする。
こうした受験生の不安に対応するため、兵庫県内の複数の私立大は、立候補者に街頭演説への配慮を求めるよう、選挙管理委員会などに申し入れた。
2月1~7日に一般入試を実施する関西学院大(西宮市)は選挙カーのアナウンスを、サイレンや航空機の音などと同じ「生活騒音」として扱うと判断。耳栓の使用など特別な対応は認めないことを決めた。
一方、衆院選小選挙区で兵庫7区にある西宮キャンパスについては、試験期間中の選挙活動に配慮するよう、西宮市選管を通じて立候補者に文書で依頼。ほかの私立大も同様の対応を検討している。
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総務省のまとめでは、前回衆院選(2024年10月)の10代の投票率は39・43%にとどまる。国は今回の衆院選について、受験生に期日前投票の利用を呼びかけているが、特別な配慮はしないという。
南あわじ市は市長選や国政選挙の際、市内の高校や大学に期日前投票所を設けてきたが、今回は日程が急な上、受験と重なることから見送った。24年から市内の高校生への主権者教育に力を入れる加古川市選管も「受験時期の投票は難しいのではないか」とみる。
2月中旬には私立高の入試や公立高の推薦入試、同下旬には国公立大の前期試験も控える。
神戸市内の私立高の校長(61)は「主権者として重い1票を投じてほしいが、必死に机に向かう18歳にとっては1時間も惜しい。学校として選挙についてどう伝えるべきか悩む」と本音を漏らした。(久保田麻依子、合田純奈)























