1千人以上の社員に向けてウクライナの文化や歴史を紹介しているネスホディム・アローナさん=大阪市淀川区
1千人以上の社員に向けてウクライナの文化や歴史を紹介しているネスホディム・アローナさん=大阪市淀川区

 ロシアのウクライナ侵攻から24日で4年となる。兵庫県川西市に幼い息子らと避難したアローナ・ネスホディムさん(39)は、大阪の企業で働く傍ら、社員向けに故郷の文化や歴史を紹介するコラム記事を発信している。戦闘が長引く中、母国に残る夫が軍隊への志願を決断した。不安を抱えながらも「平和が訪れることを願い、書き続けるしかない。早く夫に会いたい」と切実な思いを語った。

 ネスホディムさんは、首都キーウから南東に約160キロ離れたウクライナ中部のチェルカスイ出身。電気工事士の夫と、息子ヴラシイさん(8)とともに暮らし、市役所の住民課の窓口で働いていた。「海のように広いドニプロ川が流れて、街の周りには森があり、よく散歩やキノコ狩りをした」と平穏だった日々を懐かしむ。

 2022年2月24日、ロシアが軍事侵攻に踏み切ったことで生活が一変した。空襲警報が鳴り響くと、500人以上の近隣住民らとともに自動車工場の地下室に身を寄せた。爆発音が聞こえる度に身が凍り付いた。爆撃で家の外壁が崩れても内側の壁が守ってくれると信じ、夜は廊下で眠った。

 夫の母が暮らす田舎町に避難しようと自動車を走らせていると、近くにミサイルが飛来したこともあった。「音が近づくと空気の震えが大きくなる。恐怖が押し寄せてくる感覚だった」と振り返る。