西宮-仙台 B1昇格を逃し、肩を落とす西宮の(左から)道原、谷主将、松崎
西宮-仙台 B1昇格を逃し、肩を落とす西宮の(左から)道原、谷主将、松崎

■仙台69-66西宮

 バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)のプレーオフ(PO)準々決勝(2戦先勝方式)は8日、西宮市立中央体育館(兵庫県西宮市)などで4試合が行われ、西地区王者の西宮は東地区4位の仙台(ワイルドカード)との第2戦に66-69で競り負けた。2連敗の西宮はPO敗退が決まり、4季ぶりの1部(B1)復帰を逃した。

 西宮は第1戦と同じく出遅れ、追う展開に。第4クオーターに追い上げ、残り1分57秒、ムボジの得点で4点を先行したが、スリーポイントなどを許して逆転負けした。フリースロー成功率が54・5%、3点シュートは1割にとどまったのが響いた。

■2戦連続、終盤に逆転負け

 心身共にもう、余力はなかった。2戦とも2、3点差の競り負け。最後までコートに立ち続けた西宮の谷主将と道原の生え抜き2人は、両膝に手をつき、動けなかった。

 フィッシャー・ヘッドコーチは「素晴らしいシーズンを過ごせた。ただ、目指したゴールにたどり着けなかった」と語るのが精いっぱいだった。

 点取り屋のジョーンズは第1戦でテクニカルファウルなどを重ねた懲罰として、第2戦を欠場。西宮は守りを強めて失点を抑えたが、シュートが入らない。スリーポイントはわずか1割、フリースローも5割強の成功率。パスを盛んに回してリズムを生む得意の展開に持ち込めず、谷主将は「特有のプレッシャーもあったと思う」と語った。

 西宮は1月のボンズ加入後に成績が上向き、クラブ新記録の14連勝を達成。4季ぶりに地区を制した。将来的には神戸の新アリーナへの本拠地移転のめども立ち、B1ライセンスを取得。しかし競技面で届かなかった。

 静まり返るロッカールームから現れたボンズ。「諦めず全員で戦ったことは誇り。勝つときもチームで、負けるときもチームで」。無観客のホーム会場に、深いため息を残した。(藤村有希子)